VR元年と言われている2016年。世間ではVRという言葉があちこちで踊っていますが、実際のところどんな体験ができて、価格はどのくらいなのか、なにを準備すればよいのかわからん、という声も。話題にはなっているけど、なんだかハードルが高そうというイメージは有るかもしれません。
結果から言うと、とってもお手軽に高品質な体験をできる…わけではないのが現状です。でも、ある程度の投資で、いままでにはないエキサイティングな映像体験が出来るのは間違いありません。そこで、VR元年の今年に高品質なVR体験ができるおすすめのヘッドマウントディスプレイ(以下 HMD)をご紹介します。
VRとは…Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略式名称。日本語で「仮想現実」。VRについて詳しくは、VRの世界を深く説明されている「今さら聞けないVRの基礎知識」をチェックしてみてください。
Oculus Rift(オキュラス リフト)
アメリカのOculus VR社が開発したHMD、おそらく最も有名なHMDとして認知されている製品。2014年の3月にFacebook社が20億ドルで買収したことで話題となりました。Oculus Riftをプレイするのに必要なものとして、パソコンとRift本体があれば遊べます。(コントローラーやセンサーなどが同梱)
ただ、PCの要求スペックはかなり高いため注意が必要です。具体的にはビデオカードがNVIDIA GTX 970 または AMD R9 290以上、プロセッサがi5-4590以上、RAM 8GB以上などハイスペックマシンを準備する必要があります。これは他のVRヘッドセットの中でも高い部類に入ります。既にゲーミングPCを持っている場合は大丈夫かもしれませんね。
MMOスペースシムの大作「Elite: Dangerous」のOculus版
PCについてはBTO(受注生産方式のPC)などでOculus Riftを遊べるように構成されたモデルが手に入ります。例えばマウスコンピューターではRiftの動作環境対応した専用PCを用意しています。対応コンテンツとして30タイトルのゲームが同時に発売され、2016年末には100タイトルを超えるソフトがリリースされる予定となっています。
ゲームソフトのダウンロードは、Riftの画面内でもPCからでも可能です。製品版のRiftは価格は599ドル(日本円 送料込で94,600円)で公式サイトより注文できます。
Gear VR(ギア ブイアール)
Gear VRは「Oculus Rift」を開発したOculus社と、サムスン社が共同開発したVRヘッドセット。Oculus Riftとの最大の違いは、VRをスマートフォンとヘッドセットだけでお手軽に体験できるという点。これはOculus Riftをプレイする上で必要だった高性能なPC、配線などがなくてもスマートフォンさえあれば軽量で手軽にVR体験ができます。Galaxyで専用アプリ「Oculus Home」をダウンロードすればすぐにコンテンツを楽しむことができます。スマートフォンはサムスンの「Galaxy」シリーズ(Galaxy S7 edge、Galaxy S6、S6 edge)が必要です。
Gear VRを共同開発したOculus社の「Oculus Store」を通じて、200種類位上のコンテンツをダウンロードできます。Galaxyをすでに持っていれば、高品質なVR体験ができる最も手軽な選択肢になっています。また、Galaxy Note 7に対応して、Bluetooth規格対応の新型の噂もあるようです。そんなGear VRは公式サイトから14,904円(税込)で購入できます。
HTC Vive(ヴァイヴ)
2016年7月7日(木)に国内で店頭販売が開始されたVive(ヴァイヴ)はPCゲームプラットフォームのSteamを運営するValve社とHTC社が共同で開発したVRシステムです。先に紹介したOculus Riftのライバル機種とされ、2つのモーショントラッキングセンサーを空間に設置し、2つのジェスチャーコントローラーを操作して、仮想空間の中で物を掴んだり自由に動き回ることができます。
私が体験して驚きを感じたのは、やはりこのルームスケールの位置トラッキングシステムが認識する空間内を自由に動き回れることです。歩いて仮想空間内のオブジェクトを回り込んで見ることができたり、仮想空間と現実の区別が本当につかなくなるほどです。
ちなみにこちらもOculusと同じである程度スペックの高い動作環境が必要で、ビデオカードがNVIDIA GTX 970 または AMD R9 290以上、プロセッサがi5-4590またはAMD FX 8350以上、RAM 4GB以上。希望小売価格は税別で9万9800円ということでOculus Riftを超える価格設定で、ややハードルが高い印象です。ただ、コントローラー含め、このいかにも未来感溢れるデザインが特徴的に感じます。HTC Viveは各地店頭販売のほか公式サイトからも購入できます。
PlayStaitionⓇVR(プレイステーション ブイアール)
ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2016年10月13日(木)の発売が発表され、いま最も注目されているVRヘッドマウントディスプレイが、PlayStaitionⓇVR(以下PS VR)です。
PS VRはPS4®本体とPlayStation®CameraでVRコンテンツを楽しむことができるシステムです。左右の目それぞれに解像度1920×1080を表示し、PlayStation®Cameraで頭の動きを検知して仮想空間内を見ることが出来ます。特徴として、独自の3Dオーディオ技術による高音質なサウンドも加わり、映像と音でより没入感あるVR体験へ導いてくれることは間違いありません。私としては、Oculus RiftやHTC Viveに比べ、環境を構築するためのコストは半分ほどで済みそうなところがポイントです。
ユーザーにとってはコンテンツのラインナップも気になるところですが、開発側もPS4®という同一の環境で製作できることはメリットになるため、他のVRシステムに比べてより豊富なコンテンツが揃う期待感は高いかもしれません。対応予定コンテンツはこちらのリストから。
2016年6月18日より販売価格44,980円(税込)で予約が開始されましたが、予約殺到のため現在受付を中止しています(2016年7月現在)。商品詳細や購入方法など詳しくは公式サイトをご確認ください。
PS VR対応コンテンツとして発表され話題となったPS VR同時発売予定のタイトル「サマーレッスン(バンダイナムコエンターテインメント)」、個人的にこのためにPS VRを買おうと考えています。
HMDまとめ
VRヘッドマウントディスプレイでVRを楽しむ環境を揃えるのはまだお手軽にとは言えませんが、まずはじめにGear VRなどの比較的簡単に手に入れられるシステムで体験するのはいかがでしょうか。
将来はVR技術が当たり前のように生活に根付いているかもしれません。VR元年と言われる2016年、今回紹介したヘッドマウントディスプレイ以外にもたくさんの種類があります。まだ体験していない方はぜひ、VRの深い世界を見てみてください。
各HMD スペックシート
Oculus Rift | HTC Vive | PlayStaitionⓇVR | Gear VR | |
価格(税込) | 9万4600円 | 10万7784円 |
4万8578円 |
1万4904円 |
発売日(予定日) | 2016年3月28日 | 2016年6月1日 | 2016年10月13日 | 2015年12月18日 |
解像度 | 2160×1200 | 2160×1200 | 1920×1080 | 2560×1440(Galaxy) |
リフレッシュレート | 90Hz | 90Hz | 120Hz、90Hz | 60Hz |
視野角 | 110度 | 110度 | 100度 | 96度 |
トラッキング | 360度ヘッドトラッキング |
360度ヘッドトラッキング |
6軸検出システム | Galaxy内蔵センサー |
コントローラー |
Oculus Remote,Xbox Oneコントローラー, Oculus Touch |
ジェスチャーコントローラー×2 |
DUALSHOCK®4 PlayStation®Camera |
Galaxy S7 edge、Galaxy S6 | S6 edge |
写真出典: Oculus / Gear VR / HTC