2023年6月20日(火)、「日本画像生成AIコンソーシアム」が発足しました。クリエイターが新しい創作物を生み出し続ける「知的活動」を妨(さまた)げることなく、日本のAI技術を世界と対等なレベルに引き上げたい!という思いで設立したこの団体。

本記事では記者発表会の模様を、写真入りでレポートします。

執筆/アマナイメージズ 広報チーム
写真/鈴木智哉(キリンニジイロ)

「日本画像生成AIコンソーシアム(Japan Image Generative AI Consortium)」。ちょっと長い名前ですね。略称「JIGAC(ジーガック)」と呼んでください。

JIGACは、日本社会において「画像生成AI」を安心・安全に活用するための、議論と実証を行う団体です。設立には2つの大きな目的があり、1つ目は、日本が有する資産である「著作物」の保護。2つ目は、「テクノロジーの進化」を推進すること。この2つを両立させるための存在になりたいと願っています。

JIGAC代表・望月逸平「日本のAI技術を世界と対等なレベルに」

発表会では、まずJIGACの代表を務める、望月逸平(株式会社アマナイメージズ AI倫理対応・政策企画責任者)より、画像生成AIの権利面の現状や、行政・関連団体の動向についてレクチャー・続いて、コンソーシアムの活動内容や、参画メンバーについてお話しました。

 

●日本画像生成AIコンソーシアム(JIGAC)参画メンバー:

・株式会社アマナイメージズ AI倫理対応・政策企画責任者:望月逸平
・株式会社AYKM PLANNING 代表取締役社長:盛田昌夫
・京都精華大学ビジュアルデザイン学科:米津智之
・株式会社Qosmo 代表取締役社長:徳井直生
・骨董通り法律事務所 弁護士:福井健策
・株式会社シーラテクノロジーズグループ 執行役員 CAIO
株式会社SYLA BRAIN 代表取締役CEO:李 天琦
・弁護士法人STORIA 弁護士:柿沼太一
・デロイトトーマツコンサルティング合同会社
執行役員 アジア太平洋地区先端技術領域リーダー:森 正弥
・株式会社電通グループ AI MIRAI統括:児玉拓也
・東京大学 次世代知能科学研究センター 教授:松原 仁
・東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授:鳥海不二夫
・弁護士ドットコム株式会社 取締役:澤田将興
・FastLabel株式会社 事業開発・AI倫理対応責任者:藤原宏貴
・武蔵野美術大学 情報教育センター長・視覚伝達デザイン学科 教授:古堅真彦
・横山隆治事務所(有限会社シックス・サイト)代表取締役、業界人間ベム:横山隆治

非公表の参画メンバーもいらっしゃり、さらにお声がけ中の方もいるため、これから、さらに増えていく予定です。

弁護士・福井健策先生「非常に意義深いこと」

続いて、JIGACメンバー、弁護士の福井健策先生(骨董通り法律事務所)より、動画メッセージをいただきました。福井先生は、著作権法を含むエンタテインメント・メディア法をご専門とされており、さまざまな法律家としての活動を通じて、日頃から芸術活動を広く支援している方です。

福井先生「コンテンツホルダーや画像生成AIの様々な現場の方が、連携して、このたびコンソーシアムを作られたことは、非常に意義深いことだと思います。
現在、AIと著作権などをめぐる多くの課題について、政府やG7などでは議論の整理が図られています。そうした議論を注視しつつ、現場ならではの、権利者の同意に基づく学習と、収益還元の試みや、あるいはAI生成物による権利侵害リスクを低下させる方策などの実証、情報共有が図られることを期待します。」

東京大学・松原 仁先生「非常に優れた技術の発展を願う」

JIGACメンバー、松原 仁先生(東京大学 次世代知能科学研究センター 教授)からも動画メッセージをいただきました。松原教授は、日本のAI研究の第一人者として、業界を牽引している方です。

松原先生からは「画像生成AIとは何か?」という基本的なレクチャーと、生成AIの歴史、画像生成AIの利点などを解説いただきました。

松原先生「画像生成AIという、非常に優れた、新しい技術は、しかし一定の問題も有しています。
人間とAIが協調して、さらなる高みを目指したいという風に思っていますが、それを目指すためには、一定の、どういうふうに使っていくか、権利をどう守るかというルールづくりが必要です。

今回コンソーシアムを組織して、関係するステークホルダーが集まって、いろいろ議論していく。倫理的な問題、最終的には法律を整備するとか、いろんなレベルがあると思いますけれども、議論をした結果、多くの人にとって望ましい形で、新しい技術が発展して使われていくようになることを期待しています。」

シーラテクノロジーズ CAIO李 天琦さん

JIGACメンバー、李 天琦さん(株式会社シーラテクノロジーズグループ執行役員 CAIO、株式会社SYLA BRAIN 代表取締役CEO)は、「世界中の不動産投資を民主化する」をタグラインとする、不動産×AIテックの会社を経営されています。

ご自身でAIテクノロジー会社を起業し、シーラテクノロジーズグループへ売却。売却先のシーラテクノロジーズグループではNASDAQ上場まで経験した気鋭のAI起業家です。肩書の「CAIO」は、「最高AI責任者」という意味だそう。テック業界ではすでに画像生成AIのビジネス活用が数多くなされており、ご自身が現在までに携わった、数々の事例を、写真や画像を交えてご紹介いただきました。

電通 AI MIRAI 児玉拓也さん

JIGACメンバー、児玉拓也さん(株式会社電通グループ AI MIRAI統括)。社内ではグローバル経営企画の部署に所属し、電通グループのAI活用タスクフォース(緊急性の高い問題解決、企画開発などを行うために一時的に構成された組織)である、「AI MIRAI」を統括しています。

2023年からは生成AIに特化したワーキンググループを主導。広告制作の現場で、画像生成AIをビジネス活用する際にはまだまだ、いくつかハードルがあること。約1,000人のクリエイターを抱える会社として、AIとどのように付き合っていくかは挑戦中であることなど、課題をお話しいただきました。

FastLabel 藤原宏貴さん

JIGAC副代表の藤原宏貴さん(FastLabel株式会社 事業開発・AI倫理対応責任者)からは、画像生成、AIを事業で活用する際の具体的なプロセスについてレクチャーがありました。

AI開発というと、一般的に「プログラムを組んで…」ということをイメージしますが、実は最初の工程は、AIに読み込ませる「画像データを収集すること」だそう。機械学習による画像認識では、数千枚〜数十万枚と、大量の画像を必要とする場合も多く、その収集はなかなか困難を極めるそうです。

具体的に、どのように画像を集めていくのか、作成していくのか、という工程を事例を交え、詳細にご紹介いただきました。

その後、ご参加いただいたメディアの記者の方を交えた質疑応答を行いました。テレビ局や新聞社の専門記者からの、鋭い質問に、スタッフ一同、緊張が走ります。

発表会の司会を務めたのは、株式会社アマナイメージズ 事業部顧問・スポークスパーソンの守山菜穂子。質疑応答の様子を見守っています。

美しいネイチャーフォトに、未来への想いを乗せて

記者会見の最後は、フォトセッションです。写真左から、藤原宏貴(FastLabel株式会社 事業開発・AI倫理対応責任者)、児玉拓也(株式会社電通グループ AI MIRAI統括)、李 天琦(株式会社シーラテクノロジーズグループ 執行役員 CAIO、株式会社SYLA BRAIN 代表取締役CEO)、望月逸平(株式会社アマナイメージズ AI倫理対応・政策企画責任者)。

レインボーカラーの「JIGACロゴ入りパネル」が、広い会場にとっても映えています! このパネルは、アマナイメージズでも販売中の、オランダの環境写真家、フランス・ランティング氏の写真を使って作成しました。レインボーは、創作やコンピューター・グラフィックスではなく、実在の地球の風景であり、「写真」であるこということに、ぜひご注目ください。

アマナイメージズが誇る美しいネイチャーフォトに、未来への理想や、創作活動・クリエイターたちへの想いを乗せて制作しました。

写真家プロフィール

フランス・ランティング(Frans Lanting)氏

オランダ ロッテルダム生まれ。大学で経済学を修めた後、環境計画について学ぶべくアメリカに渡る。程なく自然界の写真を撮り始める。以降30年間にわたり、アマゾン流域から南極大陸にいたるまで、広大な自然が見せる真実の姿を記録し続けてきた。現在、世界で最も偉大なネイチャーフォトグラファーの1人として認められる存在。その生命力あふれる作品は、書籍、雑誌、また写真展など世界中で目にすることができる。

生命の惑星が見せる驚異と、大自然への情熱とを伝えることのできる写真群は、アマナイメージズで好評販売中。企業の広告やノベルティ、メディア、商品化などにお使いいただけます。

フランス・ランティング氏のブランドページはこちら
https://amanaimages.com/Brand/View/rm/FransLanting.aspx?BrandID=FransLanting

発表会終了後も、各メディアからの個別取材が相次ぎ、また、あちらこちらで情報共有や、名刺交換などを行うビジネスパーソンの姿が見受けられました。

この日が、日本の画像生成AIの発展、著作物の保護と、テクノロジー進化の両立にとってのターニングポイントとなることを願っています!

記者会見がメディアで取り上げられました

NHK NEWS WEB
画像生成AI 学習データの透明化取り組む 開発者らが団体設立
(2023年6月20日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230620/k10014104871000.html

テレ朝NEWS(動画でご覧いただけます):
画像生成AI 著作権や収益分配など課題考える“国内初”の団体発足
(2023年6月21日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000304147.html

日本経済新聞
電子版画像生成AIの学習環境整備へ コンソーシアム設立
(2023年6月20日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC204R70Q3A620C2000000/

IT media NEWS
「日本画像生成AIコンソーシアム」設立 ストックフォトのアマナイメージズが主導
(2023年6月20日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/20/news192.html

日本画像生成 AI コンソーシアム(JIGAC)へのお問い合わせ

JIGACは、その活動開始に合わせて、2023 年 7 月にホームページを開設予定です。

日本画像生成 AI コンソーシアム(JIGAC)に関するご質問や、参画のご希望につきましては
下記へお問い合わせください。

2023年6月20日(水)発表のプレスリリースはこちら
https://drive.google.com/file/d/1EA4LIsRpAF9JmENizk50wpf6azs5rTWQ/view?usp=drive_link

日本画像生成 AI コンソーシアム(JIGAC)事務局
メールアドレス:  jigac_office@visual-bank.co.jp

電話番号: 0120-410-22(アマナイメージズ担当より、JIGAC 担当にお繋ぎします)

所在地:〒102-0083 東京都品川区東品川2-2-43 株式会社アマナイメージズ内「日本画像生成 AI コンソーシアム」