来る7月21日に開催予定の「新人デザイナーのためのクリエイティブ実践基礎講座」。新たにデザインの現場に足を踏み入れた方に贈る本講座に先立ち、6月に行われた無料体験セミナーをレポートします!
ビジュアルコミュニケーションとは何か、カンプ制作を劇的に効率化する時短裏技、実際のセットを使った撮影体験、デザイナーが知っておくべき著作権の基礎まで、デザイナーに必要な基礎知識を網羅した「新人デザイナーのためのクリエイティブ実践基礎講座」、この講座ダイジェストで体験できる無料体験はどのような内容だったのでしょうか?
1.プレゼンに活きるビジュアルコミュニケーションとは?
デザイナーに求められるスキルが多様化する昨今、企画やデザインの方向性をプレゼンできることも必要です。実際にデザインを始める前のプレゼンテーションを組み立てるポイントとビジュアルコミュニケーションとは何かを、株式会社アマナイメージズ代表取締役社長の新居裕介が講演しました。
この講演のポイントは大きく3つ。
1つ目は、写真の力をどう活用するか。
ヒトが情報を収集・認識する際にもっとも大きな役割を果たすと言われる「視覚」。その中でも、特に写真はinformation(情報)とemotion(感性)の2つの力を持っています。informationは客観的で正確な情報を、emotionは写真が持つストーリーを伝えることができ、この2つを意識的に使い分けることで、相手に正確な情報を伝え、心を動かすことができます。
2つ目は、プレゼンの目的に合わせたビジュアルの選び方。
社内の報告資料など、正確で簡潔な情報伝達が必要なプレゼン資料には、回りくどいイメージビジュアルは不要です。しかし、クライアントに対する企画資料など、興味を喚起し新た視点を提案する資料においては、ビジュアルが非常に重要。ターゲットに合わせ、どのようなトーンで、どういったビジュアルを展開すると効果的なのか、アマナグループと日本カラーデザイン研究所が共同開発した「エモーショナルスケール※」を用いて、ビジュアルコミュニケーションの基本的な考え方、プレゼンの組み立て方が紹介されました。
※エモーショナルスケールの詳しいご紹介はこちら
最後は「刺さる」けど「刺されない」ための注意ポイント。
相手の心に「刺さる」プレゼンを気にするあまり、実は危険なことをしているかもしれません。例えば、プレゼン資料ならネット画像を使用しても問題ない、ストックフォトサイトのウォーターマークが入っていれば使用しても問題ない、と思っている人もいますが、それは誤りです。データでの配布やSlide Shareでの展開も頻繁に行われるようになった昨今、プレゼン資料にもストックフォトのように権利処理をされた画像を使用されたほうが安全です。
※プレゼン資料用にもおすすめなプランはこちら
文字要素がなくても「伝わる」ビジュアルコミュニケーション。7月21日には、アマナグループのチーフ・ブランディングオフィサーである児玉秀明がさらに深堀りします。
2.忙しいデザイナーは、いかに時短できるかが勝負
デザインは、最終的には消費者に評価されることが1番ですが、そこに行きつくためにはいくつもの段階があります。その最初の段階、ラフ提案からカンプ制作をいかに短時間で、完成度の高いものができるかが勝負。そのためのポイントや裏技を株式会社アマナイメージズ取締役/クリエイティブディレクターの松野正也が講演しました。
松野正也が実践する、時短テクニックとは?
制作当初から入稿を見込んでデータを作っておくことでとにかく後が楽になり、第1印象が良いと案件がスムーズに進められるケースが多いので、とにかく美しいカンプを仕上げることがポイント。また、カンプは社内外で一人歩きしてしまうケースが多々ありますので、案件名や採番、印刷サイズ、日付を記入することを推奨します。美しく余白を付けるおくこと、トンボなどの余計な情報を入れず裁ち落とし線を付けて見やすくしておくことも重要です。
ストックフォトは、はじめから最終的なビジュアルのイメージが提案できるので、コンセンサスがとりやすいのが1番の利点です。短時間でストックフォトを探すコツは、しっかりとデザインの方向性を決め、一度「言語化」すること。言葉にしてみることで新たな発見も出てきますので、それにまつわるキーワードを書きだすことから始め、最低2,000枚は見ることがポイントです。多くの作品を見ることで、新たな視点やアイディアを発見することも多いので、「発想のジャンプ」をするためにも、実践してみましょう。
意外に知らない方も多いamanaimages.comの便利な機能を紹介しつつ、実際にデモンストレーションを行いながらの講演は、多くの方がメモを取りながら受講する非常に実践的な内容でした。7月21日には、さらに禁断の裏ワザも披露される予定とか。是非、ご期待ください。
3.デザイナーが知っておくべき著作権の基礎
オリンピックエンブレム問題以降、デザイナーの取り巻く状況は大きく変わり、クライアントからは「良いデザイン」だけでなく「安全性」が求められるようになりました。そのような状況の中で、デザイナーが最低限知っておくべき著作権の基礎とは何か、株式会社アマナイメージズ クリエイティブセンターの村上恵子が講演しました。
著作権とはなにか?
最初に、受講生にどんなものが著作物になるかがクイズ形式で紹介されました。受講後のアンケートでも「知らなかった」「意外だった」という回答が多く、意外に理解されていない著作物の概念。これをしっかり知っておくことで、どのようなケースで著作権が問題になるかが明確になります。例えば、キャッチフレーズ等のきわめて短いフレーズや、フォントをベースとしたロゴは著作物としては認められにくい傾向あるので、キャッチフレーズやロゴは商標として登録しておくことが肝要です。
また、多くの人が悩む建築物の撮影については、著作権とは別の問題として「敷地内に入っていないか」「不正競争防止法違反に該当しないか」「クレームのリスク回避は?」といった注意点があることなど、実務に役立つ知識が紹介されました。
7月21日には、株式会社アマナ執行役員の佐々木孝行が、豊富な事例を交えながら、さらに実践的な「トラブらない方法」「実際にあったトラブル」を講演予定。著作権基礎講座の決定版です!
最後に
受講者の80%以上が「非常に良かった」「良かった」と回答した無料体験セミナー。7月21日の「新人デザイナーのためのクリエイティブ実践基礎講座」では、さらに実際のセットを使った撮影体験や懇親会も予定されています。定員は、先着30名様。お席に限りがありますので、お早めにお申し込みください!
7月21日開催「新人デザイナーのためのクリエイティブ実践基礎講座」