去る6月24日(水)、amana tech night vol.3「達人たちから学ぶ。グロースハックとUI/UX」を開催しました。

遅くなってしまいましたが、当日のレポートを公開します!

 

【株式会社VASILY グロースハッカー 梶谷 健人氏】

VASILY梶谷さん

グロースハックとは
・数値やユーザーの声を分析し、ユーザーの数や質をGrowthさせる仕組みをプロダクトの中に組み込むこと

グロースハックの定番手法「AARRR」モデルについて
・AARRRモデルの順番でグロースハックしようとすると必ず失敗する
・AARRRモデルはユーザーの通り道であり着手すべき順番ではない
・間違いとしてニーズ検証や体験などの本質的な最適化よりも細かい最適化に目が行ってしまう

「 A A R R R 」から「 A R R R A 」へ
・「Activation」そもそも製品の価値は顧客が求めるものなのか本質的な検証を優先する
・「Retention」使い続けてくれるくらい製品の価値に満足しているか?
・「Referral」友人に伝えたくなるほど、製品の価値に満足してくれているか?
・「Revenue」お金を払ってくれるほど、製品の価値に満足してくれているか?
・「Acquisition」製品の価値を広めるために、正しいチャネル・訴求軸を選べているか?

ARRRAは種々の概念と対応
・LeanAnalytics、GrowthPyramid、CustomerDevelopmentなどの概念と基本的に変わらない
・まずAARRRモデルでグロースハックを行えばスッキリ把握でき、課題に対応できる

AARRRモデルで最も大切なこと
・「Activation」と「Retention」が確実になっていること

Activationとは
・ユーザーにサービスの価値を感じてもらうこと
・そもそもサービスに価値があるか(Problem Solution Fit) × その価値が初回体験時に伝わるか(User Onboarding)

Problem Solution Fitとは
・アイデアの前提となる「ユーザーの課題が本当に存在するか」「アプローチが間違った前提に立脚していないか」を検証するステップ

スタートアップが死ぬ理由
・存在していない課題にアプローチしている顧客から求められていないものを作ること

死なないために
・きちんと課題が存在している顧客がそのプロダクトを求めている証拠を事前に得ることが重要

Zappos.comの事例
・絶対に成功しないと言われていた靴のEC事業で、受注が発生したという「証拠」を得てから、開発しビジネスを成功させた
(EC機能や在庫を持たずホームページだけを作って自分の足で商品を仕入れて発送までしていた)

Javelin Boardについて
・スタートアップのアイデアの99%は間違っている。間違いに素早く気づいて修正するためのツールでリスクを最小限にする
(VASILYでも実施)

User Onboardingとは
・プロダクトの初回体験を通じて、新規ユーザーを継続顧客に変えるプロセス
・初回のプロダクト体験で、「このサービスめっちゃ良い!」と思わせること

User Onboardingの3要素
・Value Propositionとは
「プロダクトがどのような価値を提供するのか」「代替品が存在する中で、なぜこのプロダクトを使うべきなのか」をユーザーに対して提示すること

・利用方法の理解
どんなに良いと思ったサービスでも使い方が理解できないものは2度と使ってもらえない

・AHAモーメント
「このサービス良い」と思ってもらえる瞬間 これをできるだけ前倒すためにはどうすれば良いかを考える

グロースハックでやるべきこととは
・ニーズ検証 体験最大化 > 細かい最適化

・グロースハックの順番
Activation

Retention

Referral

Revenue

Acquisition

・各フェーズの進め方
フェーズの理解

プロセスマップ&フレームワーク

最後に…

本質的なグロースハックをしよう

より詳細な情報は
執筆中の書籍(10月出版予定)で! @kajiken0630


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【株式会社シロク 取締役/CCO 石山 貴広氏】

シロク石山さん

本日のゴール
・グロースハックの意義を感じる
・サービスにハマる仕組みをつくる方法を知る

お話の内容
・ウェブサービスの開発からローンチまでのプロセス

実践的なUXデザインとグロースハック

事業者あるある
・ユーザー獲得までが重要という認識でその後に力を入れていないパターンが多い
・誰も使ってくれないを理由にして機能追加してしまう「死のサイクル」に陥ってしまう

ユーザーの継続性/顧客中心の時代が到来
・昨今のアプリ多様化の中で、いかにサービスを使ってもらうかが難しくなってきている
・ユーザーが自分に合わせたものをすぐに手に入れられる時代

★グロースハックの意義
・時代の主導権は顧客である
・ユーザー獲得後の活性化、継続化に注力するべき
・機能MECEからの脱却

UXに必要な要件
・”顧客のニーズ”と”楽しさ”でサービスに価値を感じてハマる仕組みを設計する必要

サービスに”ハマり続ける仕掛け”をつくろう
・ユーザーがサービスに戻ってくる仕組みを明らかにする
(写真共有アプリmy365を例にして)

問題解決の手段としてユーザーアクションサイクル(UAC)を理解する
・サービスの核が明確になるため共通認識を得ることができる
・継続率向上のためのKPIが理解しやすい
・定量的な指標に転換して、成果検証しやすい

★サービスにハマる仕掛けとは
・何が継続利用に響くかを開発者がりかいしている状態
・UACやHookedなどのフレームワークを活用して行動と結果を定量的にはかる

実践的なUXデザインとグロースハックとは
・ユーザーがサービスに価値を感じ続ける仕組みが大事
・フレームワークを活用してサービスの継続理由を設計
・大事なのは打席に立つ数、三振をおそれないマインド

 

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【株式会社ディー・エヌ・エー デザイン戦略室UXデザイングループ デザイナー 真崎 達也氏】

DeNA真崎さん

サービスを成長させる為の開発について

サービスの成長に必要なもの(小説投稿プラットフォーム「E★エブリスタ」を例に)
・ユーザー感情主導開発によるユーザーの感情を動かすモノ作り

ペルソナをつくる
・ペルソナ(データ&調査ベース)をつくる
・プラグマティックペルソナ(チーム認識ベース)をつくる
・ジャーニーマップをつくる(制作プロセス)

ペルソナ制作の注意点
・ペルソナの視点で書きだす(願望や個人の意見で書かない)
・行動に対するハードルの高低を意識する

整理する
・ポジティブ&ネガティブな感情を洗い出す
・時系列順にシナリオ化する

シナリオの効果を見積もる
・定性&定量データや主要KPIから判断

仮設設計&UI/UX
・ゴールの再確認や現状分析
・課題から仮設の設計(ペルソナやジャーニーマップで仮説立てる)

リリース&分析
・ユーザー認識をブラッシュアップする
・アダプティブなPDCAを行う

まとめ
1.ユーザー感情の最大化からモノを考える
2.ユーザーを理解するための仮設&検証を行う
3.ユーザーにとっての高い価値発見に注力
4.変化に素早く対応する

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いかがでしたでしょうか?

前半部分の登壇者お三方のお話を通して、「グロースハック」の本質的なところが、とてもよく理解できました。

私自身、「グロースハック」という言葉は知ってるし、何となく理解しているつもりでしたし、いわゆるAARRRモデルも知ってる。でも、具体的にどう、自分のサービスで実践出来るのか、というところまでは行っていませんでした。

今回のお話を通して、AARRRモデルだけでなく、その他のフレームワーク等も含めて理解が深まり、かつ、具体的な話を通して、どのように実践されているのかを聞くことができ、早速自社にも取り入れ始めています。

参加者のみなさま、また、レポートを読まれたみなさまは、いかがでしたでしょうか?
ぜひ、ご意見やご感想、また、こんな風に実践しています、といったことも、教えて頂けましたら、今後のセミナーに反映していきたいと思います。

改めまして、梶谷さん、石山さん、真崎さん、ありがとうございました!

 

この後、パネルディスカッションの模様は、次のエントリーで公開いたします!

 

【開催協力】
会場提供:株式会社ディー・エヌ・エー様
グラフィックレコーディング:和田さん・和波さん(株式会社ディー・エヌ・エー)