国を問わず人気のある日本のマンガ。これらマンガに登場するキャラクターも大人気で、身近に持ち歩けるグッズもいろいろ販売されています。皆さんもお気に入りのキャラクターがあるのではないでしょうか。かわいらしさ、カッコよさ、親しみやすさ、力強さなど、キャラクターが持つイメージも様々です。
企業の広告や商品にマンガのキャラクターを活用することで、キャラクターが持つポジティブなイメージが、企業イメージ、商品イメージを後押ししてくれる効果が期待できます。
さて、そもそも、マンガのキャラクターには、どのような活用方法があるのでしょうか?たとえば、
・好きなキャラクターを自分で描いて、部屋に飾りたい
・自分のお店で、キャラクターを載せたチラシを作って、宣伝に使いたい
・自社商品のパッケージに、マンガキャラクターを印刷し、全国で販売したい
など、今回はいくつかのシーンをピックアップしながらマンガキャラクターの活用について考えてみます。

文 :菅沼達哉(アマナイメージズ、二級知的財産管理技能士)

マンガキャラクターは著作物ではない!?

まずは「著作権」です。著作権は「作品を創作した人が持つ権利」で、作者の思想や感情が表現されているものが「著作物」となります。ということで、マンガは著作物になり、著作権という法律で保護されています。

マンガは「著作物」です


では、そのマンガに登場するキャラクターも著作物となるのでしょうか?
キャラクターはマンガに現れる登場人物で、著作権法上は「抽象的な概念」という扱いになります。この「抽象的な概念」は、思想や感情が表現されたものという著作物の条件を満たしていません。つまりマンガキャラクター自体は著作物ではなく、著作権がないということになります。
であれば、マンガキャラクターは断りもなく自由に活用できるのか?
答えは「ノー」です。
マンガは小説などとは異なり、美術の著作物としての性質もあります。ですので、マンガのキャラクターの絵については、美術の著作物として保護を受ける場合があり、キャラクターをコピーして使ったりする場合には著作者の許可が必要となります。

キャラクターという概念には著作権はないけれど、絵をそのまま使う場合は著作者の許可が必要

自分自身でマンガキャラクターを描いてみる場合

マンガキャラクターをコピーして使う場合には著作者への許可が必要となることが分かりました。
では、コピー機やスキャナーでコピーをつくるとか、カメラで撮影するのではなく、自身でキャラクターのイラストを描いて作成するのは著作権侵害となるのでしょうか。
マンガキャラクターを自分で描くというのは、法律上の「翻案(ほんあん)」という行為にあたります。元となる著作物を用いて新たな著作物を創作することも翻案にあたり、イラストをトレースする行為も翻案にあたります。
著作権の中には「翻訳権」・「翻案権」があり、著作者は無断で翻案されない権利を持っています。ですので翻案を行う場合は、著作者の許可が必要ということになります。

キャラクターという概念には著作権はないけれど、絵をそのまま使う場合は著作者の許可が必要

ただし、著作権法では私的に利用する範囲であれば著作者の許可をとらなくても利用して良いとしています。たとえば自身で描いたキャラクターのイラストを自分の部屋に飾ったり、スマートフォンの待ち受け画像として利用する範囲は、私的利用にあたりますので、許可をとらなくても大丈夫ということになりますね。
自分で描いたイラストを使って、自社商品の広告を行うとか、イラストを店舗の看板にするなどは、商用利用ということでNGです。
ちなみに、イラストをコピーしたり写真にとったりすることも、私的利用の範囲であれば許可をとる必要はありません。ただし、これらを販売したり、インターネット上に公開すると私的利用の範囲を超えてしまいますので注意が必要です。

マンガキャラクターを広告で活用する場合

では、マンガキャラクターを企業の広告で活用する場合を考えてみたいと思います。
これまでで、マンガキャラクターを活用する場合は著作者の許可が必要。私的利用の範囲を超える場合は著作者の許可が必要ということが分かりました。
広告となると「商用利用」で、確実に私的利用の範囲を超えていますので、許可が必要ということになります。これは、知り合い程度のごく限られた範囲に配布するチラシでも、全国展開する大規模な広告でも許可が必要ということには変わりありません。

商用利用する際は許可が必要

つまりマンガキャラクターは広告には使えないのか?
こちらも答えは「ノー」です。
著作者の許可が必要というだけで、許可を得ればマンガキャラクターを企業広告に活用することは全く問題ありません。著作権法の目的は、「著作者がもつ権利を保護するとともに、著作物の公正な利用を確保することで、文化の発展に貢献すること」
自身でマンガを創作 → 他者が無断で利用 → 自身の利益が侵害される → 創作意欲を失う
このような流れでは文化の発展が妨げられてしまいますね。こうならないように著作権法があり、著作者は著作権で保護されているということです。
著作物を使えないようにしているのではなく、著作者の権利を守って正しく使うためのルールを設けているということ。このルールに則って活用すれば、作品を使う側も、作品を創る側も嬉しいということになりますね。

ここまでのまとめ


・マンガは著作物になり、著作権法という法律で保護されている
・キャラクターは「抽象的な概念」なので著作物ではない
・マンガのキャラクターの絵は、美術の著作物として保護を受けるため、キャラクターをコピーして使う場合には著作者の許可が必要
・マンガキャラクターを自分で描いて使うことや、コピーして使うことは、私的利用の範囲ならOK
・商用利用で、マンガキャラクターを描いて使うとか、コピーして使う場合、著作者への許諾が必要
・マンガキャラクターは、著作者の許可を得れば、企業の広告に商用利用できる

許可をとるにはどうしたらよいの?

では、マンガキャラクターを活用するための許可はどこにどのように申請したらよいのでしょうか?
著作物を利用するためには著作者の許可が必要となりますので、著作者への申請が必要となります。またマンガの場合には、出版社に出版権を設定している場合が多く、その場合の許可申請は出版社に対して行うのが通常となります。

といっても、申請先や申請方法などが分からずハードルが高い。。

という場合も多いかと思います。このような時は、様々な許可申請の代行を行うサービスを活用したり、最近では予めマンガキャラクターを広告などで二次的に活用するために用意されたサービスもありますのでそちらの利用を検討してみるのも良いと思います。
自社でキャラクターを開発するのももちろん良いですが、すでに人気、知名度のあるキャラクターの活用も魅力的だと思います。今回のお話しがキャラクター活用を検討している方のヒントになれば幸いです。

 


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例えば、マンガ「サラリーマン金太郎」のイラストを企業で使用する場合……

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