海外では侵略的外来種として嫌われる日本の在来種　10選

日本では、子供に大人気、夏の代表的昆虫『カブトムシ』
最近、日本の絶滅危惧種・在来種・外来種などが話題に上がっていることが多いですが、この日本のカブトムシが、海外では侵略的外来種として、駆除対象になっていることをご存じでしょうか。東南アジアでは、ペットとして輸入され、飼育放棄や逃げ出すなどで自然繁殖が始まり、その地域に生息する在来種との樹液の奪い合いなどによる在来種の減少が懸念されています。実は、国内でも分布域ではなかった北海道で、国内由来の外来種として名前があがっています。

今回は、海外で侵略的外来種として、駆除対象となっている日本の在来種を一部ご紹介します。

ゴマダラカミキリ

カミキリムシといえば、だいたいはゴマダラカミキリのイメージが強いかと思います。先日、アパートのゴミ捨て場で、写真のように青色がとてもきれいな個体を見かけました。幼虫、成虫ともに、樹木の材部や葉、樹皮などを食しているため、北アメリカでは、樹木への被害が、深刻だと云われています。

マメコガネ

マメコガネは、カブトムシと同じコガネムシ科の甲虫です。19世紀初めに、植物の輸入品にまぎれてアメリカへ侵入し、繁殖、定着したと云われています。アメリカでは、ジャパニーズ・ビートルと呼ばれる嫌われ者。農作物への被害が深刻になっています。

アゲハ

アゲハ（ナミアゲハ）は日本ではおなじみのアゲハ蝶ですが、ポリネシア、ハワイ諸島では、侵略的外来種としてリストにあがっています。幼虫が食草である柑橘類などの葉を食べるため、樹木の生長に影響を与えています。

ホンドタヌキ

日本では東京23区内でも見かけることのあるタヌキ、環境適応能力が高いとされる哺乳類です。本来タヌキはロシア東部、中国北東部〜南部、朝鮮半島、日本、そしてベトナム北部にのみ分布するアジアの固有種ですが、ペットや毛皮目的に飼育されていたものが野生化したことなどにより、北欧、西欧をはじめとしてヨーロッパ各地に分布を広げています。農作物などををあらす厄介者、狂犬病の媒介者として問題視されているそうです。
＊近年、日本在来のタヌキは大陸種とは別種の固有種という研究報告もあります。

ニホンジカ

奈良公園では、鹿せんべいを欲しがりお辞儀をするとても愛くるしいイメージのシカ。通常ニホンジカは、山野で植物を食べていますが、里に出没し農作物が被害にあうことが日本、海外ともに問題となっています。また、ヨーロッパでは在来のアカシカとの交雑による純血種の減少も懸念されています。

クロヨシノボリ

クロヨシノボリは、河川の中流から上流域に生息する全長８ｃｍほどの淡水魚です。日本では絶滅危惧種に指定されていますが、中東のペルシャ湾では、侵略的外来種として名前があがっています。

クズ

海外で猛威をふるっているのは、動物だけではありません。日本では、昔から和菓子などで使われ、秋の七草として親しまれてきたクズは、マメ科の植物で、非常に繁殖力が強く、他の植物を覆ったり、巻きついたりして生長を妨げます。北アメリカでは、飼料や園芸用として輸入されたものが、家までものみ込まれるほどに生長して、大きな問題になっているようです。クズは、「世界の侵略的外来種ワースト100」に名前があがっています。

イタドリ

この写真は花を咲かせたタデ科の植物イタドリです。イタドリは、山菜採りの時、父から教えられ、新芽を生で食べていた思い出がありますが、ヨーロッパやアメリカでは、異常繁殖し、コンクリートやアスファルトを突き破るなどの被害が出ているそうです。イギリスでは、イタドリを食草とする「イタドリマダラキジラミ」という昆虫を生物農薬として移入しました。こちらも「世界の侵略的外来種ワースト100」に名前があがっています。

ワカメ

日本では、みそ汁の定番、他の食材とも相性の良いワカメですが、アジア地域から船のバラスト水により本来生息していない世界各地へ運ばれ根付いたとされています。特に、ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリアでは、大繁殖をしているそうで、こちらも「世界の侵略的外来種ワースト100」に名前があがっています。

まとめ

『海外では侵略的外来種として嫌われる日本の在来種　10選』いかがでしたでしょうか。アマナイメージズでは、動植物を専門とする作家の、高い信頼性に裏付けられた写真や動画をご用意しております。写真や動画のリサーチ等、困ったことがございましたら是非一度ご相談ください。

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