日本の良さを、新しい価値として国内外に発信する三越伊勢丹の「JAPAN SENSES(ジャパン センスィズ)」。今回は「花咲(わら)う」をテーマに、3月29日(水)~スタートしています。
このJAPAN SENCESにて、「Dentsu VR Plus」(電通VRプラス)※と三越伊勢丹の協働で”世界自然遺産”「屋久島」をクローズアップしたVR体験コーナーが本館6F(ベビー&キッズ)に設置されています。
屋久島の魅力を体験できるショートトリップVRとなっており、企画とクリエイティブディレクションをDentsu VR Plus、コンテンツの制作とプロデュースをアマナ VRコンテンツチームにて担当、またコンテンツはアマナイメージズで取り扱っている屋久島の360度静止画、音素材を使用いただきました。
編集部も現場でVRを体験させていただき、今回の企画について担当の森田さんに直接お話しを伺いました。
※Dentsu VR Plus とは
百貨店に「来てもらう」ことの価値
・今回電通さんと協働での取り組みということですが、売り場にVRを設置された意図をお聞かせ下さい
株式会社 三越伊勢丹
婦人・子供・婦人雑貨統括部 新宿婦人・子供商品部 商品担当 森田さん:
百貨店に足を運んで物を買うということ自体が減っている今、全社的にも百貨店に来て買ってもらう事の価値というのを考える中で、いかに多くの方にご来店いただくかという観点から採用しました。
・なるほど。ご自身は今までVRを体験されたことはありますか?
森田さん:
僕は今回初めてでしたので、最初体験した時は声が出てしまいました。笑
このフロアは子供服売り場なんですが、お客様でも、お子様とか素直に「わあ!」と驚いている様子を見ると、やはりうれしいですね。
こども目線で伝わる屋久島の自然
・「JAPAN SENSES」では日本の良さをアピールするイベントが定期的に開催されているかと思いますが、今回屋久島を選んだ理由はなんですか?
森田さん:
「日本の良さ」をお子様に伝えるのがなかなか難しくて、歴史だったり伝統という部分ではあまり響かないというか。お子様の目線で分かりやすく日本の良さを体験するには、やはりシンプルに自然の魅力に触れてもらうのが一番いいなと。今回は九州がテーマだったので、九州の自然の中でも屋久島にクローズアップしました。
・今回のようにテクノロジーを活用したイベントは多いのでしょうか
実はなかなか出来ていなかったので、今回電通さんからお話をいただいた時に是非やりたいと思いましたね。全社的にもこういったデジタル方面の取り組みを増やしていこうという方向になっています。
VRで表現する「癒し」
・アマナで制作したコンテンツの感想はいかがですか
森田さん:
今日(3/30)も40人~50人くらいに体験いただきましたが、好評ですよ。
滝の画像が高さが少しあるようで、お子様が下を見て「こわいこわいこわい!」と言ってました。笑 ずっと離れず何回も体験してくれるお子様もいたりして、屋久島の風景だったり雰囲気がリアルに体験できているんだなと感じましたね。
・企画する時にポイントにされたことを教えてください
アマナVRコンテンツチーム 中島:
今、VRの世界はかなり進化していて、動画でリアルタイムでかつフルCGで・・・なんていうゲームや、エンターテイメントよりのものが多い中、「癒し」で使われているところがあまりなくて。今回''癒しの世界遺産''という表題でやっているんですが、「VRで癒しを表現したい」というところから、音楽や流れを含め全部のコンテンツをディレクションしたという部分ですね。
使用したコンテンツについても、屋久島は山や海、たくさん癒しのスポットがあるので、アマナイメージズから候補素材はたくさんあがっていたんですが、その中でもストーリー性のあるものをセレクトしました。ゲームで使用されるVRのように銃で撃つなどの動きがない分、静止画で伝わる価値が必要だなと。例えばここはウミガメの産卵地、ここはもののけ姫のモデルになった森、など。
またこれはウィルソン株といって、豊臣秀吉が大阪城の築城のために伐採して使われたと言われている木なんですが、下から覗くとハート型に見えることから現代では恋愛成就のスポットになっているんです。こういったその土地土地にまつわるストーリーと心地よい音楽を組み合わせて「癒し」を表現しました。
森田さん:
子供は動き回っていたけれど、大人(特に女性の方)は見終わったあとに少し止まって余韻を楽しまれているように見えたので、ヒーリング効果を感じていただけてるのかな、と思いましたね。
中島:
デパートの中って週末は結構ガヤガヤしてるじゃないですか。東京の真ん中にあるデパートでこの体験コーナーにやってきて、ゴーグルをつけた途端、「あ、わたしは今違う所に来たんだ」と感じてもらえる2分間にしたかったんです。
・VR動画の方も検討されていたんでしょうか?
中島:
スケジュール等の制約もあり、今回はアマナイメージズの静止画素材をベースに「癒し」の体験を演出しましたが、今後はテーマに合わせて動画素材の活用もしていきたいです。
原体験につながる「体験」
・いろいろな思いがつまった癒しのVRコンテンツ。さきほどお子様というお話がありましたが、このコンテンツをどのような方に見ていただきたいですか?
森田さん:
最近のお子様は、習い事をいくつもかけもちをしていたり、自由な時間がとれない場合が多いと思うんですね。各々の家庭で家族旅行に行く機会もあるとは思うんですが、やはりなかなか時間がない中で、お子様に原体験をさせたい、と考えているお父さんお母さんは多くいらっしゃいます。
そういった中で、少しでもそれに近い体験を親子でしていただいて、この「屋久島」という日本の中でも独特な地形と気候をもった土地を知って、「じゃあ屋久島行ってみようか」となったり、新しい発見をしてもらうきっかけになってくれるとうれしいですね。
中島:
今後ここをもっとこうしたい、という点はありますか?
森田さん:
大きいお子様なんかはゲームの影響で割と次々移り変わる画面に慣れているので、より魅力的にするのに動きがあったりしてもいいのかなとは思います。今回のストーリーをより子供目線で伝わる内容にするというか、歩いて次の画面にいける、などゲーム的な要素もあってよいのかなと。ちょっと今回のとは方向性がちがうかもしれませんが。
中島:
世の中的にはやはりそっちの方向に向いていて、リアルタイムCGを活用したインタラクション性の高いコンテンツが人気ですね。
森田さん:
ベタに恐竜とか、車とか、そうゆうものだと喰いつきがすごく良さそうですよね。
VR体験で広がる可能性
中島:
ポイントとして、売り場の中でVRの体験から購買に至るまでの全体のプランニングが重要になると思います。ゴーグルを外した後に展示コーナーを見て「あの映像で映ってたところはこうゆうところなんだ」、と知っていただいたり、雑貨コーナーで「このお茶はあの映像のあの場所で作られたんだ、じゃあものすごい自然の中で育ったんだね」と感じて購入していただけたりとか。
360度の映像の中で没入した体験があるからこそ感じるというか、体験を生かした導線を作れるとよりVRが生かせるかなと。
森田さん:
そうなんですよね。例えばお米とかを売っている食品売り場で、その作物が畑とか通ってきた経路をすべて体験できるトレーサビリティ体験なんかも出来たら安全性をアピール出来るかなと思います。分からないですけど、例えば、物産展で自分がジャガポックルになって作られる体験をVRでできたりとか。
中島:
それおもしろい!ジャガポックルになって揚げられたりとか。笑
VRって、今はなんとなく「あ、VR、おもしろそう」という集客目的で使われていることも多いので、実際の購入にいたる効果的な体験コンテンツも作っていきたいです。
一方で、まだまだVRを体験した事がない方が多いのも事実です。今回のVRコンテンツはショッピングに来られてたまたま通りかかった女性やおじいちゃん、おばあちゃん、お子さんが初めて体験してとても楽しんでくれている、という様子を改めて見ることができました。こういった方々にリーチできるこの場所に設置できたことをとてもうれしく思っています。
森田さん:
ありがとうございます。週末はお子様と参加できるイベントも開催するので、より多くの方に体験いただきたいですね。
週末のイベント詳細についてはこちら
http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/floor/main_6f/information/index.html
VR元年とよばれた昨年2016年。
今年はますます、企業のプロモーション活用やVRを体験する機会も増えていく中で、コンテンツのニーズも高まってきています。
アマナイメージズでは、今回のようなVRコンテンツや、Web広告などにご利用いただけるレディーメイドの360度素材を取り扱っております。静止画に加えて、まもなく動画の取り扱いもスタートします!
コンテンツに関するご質問がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。