本エッセイは、ライター・チャンワタシさんによる文章と、アマナイメージズ クリエイティブディレクター・松野正也によるフォトキュレーションでお届けします。
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先日、とあるデザイナーさんがぽろっとこぼした言葉がずっと頭から離れない。
「知れば知るほど、知らないということを知ることになる」
なにか情報が新しく入るたび、自分の知識の無さに気づくということだ。
人間は、ある小さな知識がつくと、「じゃあこれはどうだろう?」「あれはどうなっているんだろう?」と考える。
そうするとまた、知らないことに出会ってしまう。それがどうやら一生続くみたいだ。
「それでいいんです」
と、その方は続けた。
「自分が知らないということを知っているだけで、また新しいことを吸収することができるんです」
わたしたちは、死ぬまでなにも知らない。この世の中の、好きなことの、ほんのちょっとの知識しか。
吸収できる人たちはみんな、自分が知らないということをちゃんと知っている。
そうして来たものをすべて素直に受け入れて、自分のものにしていくのだと思う。
「それ知ってるよ」「前に一回やったことあるよ」
そんな風にして出会ったものをはじくのは、実はとてももったいないことなのかもしれない。
チャンワタシ(ちゃんわたし)
1990年生まれ。Webメディアの編集者をしながら、2017年6月よりフリーライターとしても活動中。取材記事・コラム・エッセイなどを手がける。日常の気づきを綴った『note』が人気。
Twitter:@chanwatac
note:https://note.mu/hoshinc
松野 正也(まつの まさや)
株式会社アマナイメージズ取締役。2007年グラフィックデザイナーとして株式会社アマナに入社、CI/VI開発・制作に携わる。2009年からamanaimages.comのWebデザイン・サイト運営を担当。現在は、主に広告制作マーケットに向けたストック商材のクリエイティブディレクションを担当している。