本連載では、初心者向けに、GoogleAnalytics(アナリティクス)の基本的な使い方を解説します。
例えば・・・
Google アナリティクスを設置した(された)サイトがある
↓
突然、サイトのレポートを作らないといけなくなった
クライアントに会わなければいけないので、とにかく今どうなっているのかを知りたい
↓
Google アナリティクス を開いてみた・・・
↓
どこをどうやって見りゃいいんですか?(´Д`ι)
というような人に向けた、Googleアナリティクスが使えるようになる講座です。記事で紹介するポイントを押さえていけば、初心者でもGoogleアナリティクスをすぐに有効活用することができると思います。
●アクセス解析ってなに?
まずは、「アクセス解析ってなに?」というところから始めます。
リアル店舗とウェブサイトを比較してみると分かりやすいと思います。
リアル店舗では、お客様の数や、お客様の動きを目で見て確認することができますが、ウェブサイトではお客様の動きは目に見えません。そこで必要になるのが、アクセス解析です。
アクセス解析は、ウェブサイトを訪問した人が残したさまざまな記録(アクセスログ)を解析して、データ化することを指します。
サイトの運営者はアクセス解析を行うことで、以下のようなお客様の情報や傾向を知ることができます。例えば、ウェブサイト内のどのページがよく見られているのか、どのページでサイトから出て行ってしまっている人が多いのかを知るだけでも、サイトを改善するための重要なヒントが得られるのです。
お客様の情報や傾向を知ることで、サイト改善の糸口を探ることが可能になりますが、アクセス解析だけでは、すべてのお客様情報を取得することはできないので注意が必要です。
会員登録等で取得できる個人情報や、Eコマースなどで蓄積される購買情報などと、アクセス解析を組み合わせることが、ウェブマーケティングを成功させる鍵になります。
>参照:「ECサイトだけじゃない!話題の「Web接客」ツールの可能性とは?」
●Googleアナリティクスってなに?
Googleアナリティクスは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。Googleアカウントを取得すれば、基本的には無料で利用することができます。
インターネット初期のアクセス解析は、テキストエディタやシンプルな解析ツールで行われていましたが、ウェブサイトの構造や人の流れが複雑化するにつれて、専用のツールが登場してきました。
2016年現在では、多くの解析ツールがありますが、もっとも普及していると言われているのが「Googleアナリティクス」です。
2015年12月には、上場企業のおよそ78%が、Googleアナリティクスを導入しているという調査結果(※1)が発表されています。別の調査でも、70%近い調査結果(※2)もあり、事実上の標準ツールと考えて良いのではないでしょうか。
処理できるデータ量やサポートの有無で、無料版と有料版があります。無料版と有料版の違いについては、公式サイト(※3)を見てください。
※1) コラム – 上場企業における『Google Analytics』の導入状況調査 2015年12月 78%の企業がGoogle Analyticsを導入済み | Nexal http://nexal.jp/blogs/20151225170217.html
※2) uehama's blog: 10/30 Google Analytics 利用率は 67.1% (前回から 変化なし)
http://uehama.blogspot.jp/2016/10/1030-google-analytics-671.html
※3) Google アナリティクス プレミアムの機能一覧 – Google アナリティクス
https://www.google.com/intl/ja_ALL/analytics/premium/features.html
●まずは基本的な用語を覚えましょう
「ユーザー」「セッション」「ページビュー数」の3つです。この3つはアクセス解析における基本の用語ですが、ちょっとややこしいので、しっかりと違いを理解しておく必要があります。
■セッション
セッションとは、ユーザー(訪問者)がサイトを訪問→離脱するまでの一連の流れを指します。サイトを訪問して、立ち去るまでをセッション「1」と数えます。
サイトにユーザー1人が訪問して、コンテンツA → コンテンツB → コンテンツC という順番にサイト閲覧し、別のサイトに行った場合は、セッションは「1」とカウントされます。いったんサイトを離れて、30分以上経過した後でまた同じサイトを訪問すると、セッション数は「2」となります。
30分以内に、ユーザーが次のアクションを起こさなかった場合は「離脱」とみなされます。
-
ページを開いたまま30分以上放置
⇒ セッションが終わり セッション数=1 -
別のサイトに移動した後、30分以内にサイトに戻ってきた場合
⇒ セッションが継続 セッション=1 -
別のサイトに移動した後、30分以上経過してからサイトに戻ってきた場合
⇒ 前回のセッション + 新規セッションとなる セッション=2 -
Aさん、Bさん、Cさんがあなたのサイトを訪問した場合
⇒ セッション=3
■ユーザー
サイトを訪れた「人」の数です。PCやスマートフォンを操作している「人数」と考えると分かりやすいかもしれません。
一定時間内(30分)で、どれだけたくさんページを見たとしても、あるいは何回訪問したとしても「1」としてカウントされます。何人の人がサイトを利用してくれているのか知る際に重要な指標になります。
基本的には、別の訪問者が現れない限りユーザー数は増えません。複数ブラウザで見た場合、複数ユーザーと認識される場合があります。
-
Aさんが別のサイトに移動、30分経過後にサイトに戻ってきた場合
⇒ ユーザー数=1 -
Aさん、Bさん、Cさんがサイトを訪問した場合
⇒ ユーザー=3
■ページビュー数
PV数と略されます。閲覧されたページの数です。1回のセッションで5ページ閲覧したら、PVは「5」になります。
サイトの規模を表す指標として使用されることが多いです。
例)100万PV/月を突破!
サイトに訪れたユーザーが、サイト内を回遊して見たページの数を、ページビューとしてカウントします。
-
Aさんがサイト内のコンテンツを4ページ見た
⇒ ページビュー数=4 -
Aさんが2ページ、Bさんが3ページ、Cさんが5ページ見た場合
⇒ ページビュー数=2+3+5=10
セッション・ユーザー・ページビューの3つを覚えることで、Google アナリティクスの画面で表示されている内容がなんとなくわかってくると思います。
その他、よく使われる用語を挙げておきます。このあたりも覚えておくと、さらっと流してみていた数が面白くなってくると思います。
◯平均セッション時間
訪問者がサイトに滞在した時間の平均で、ブログサイトなどのコンテンツをメインにしているサイトは長いほうが良いです。
◯ページ/セッション
セッション中に表示されたページ数の平均です。同じページが複数回見られた場合もカウントされます。
数値が大きい方が、多くのページを見られているということになります。
◯直帰率
1ページしか閲覧されなかったセッションの割合を指します。
直帰率が高い場合は、サイトがユーザーの求める事項に合っていないか、あるいはデザインやサイトの操作性に問題がある可能性があります。
◯チャネル
サイトへの流入経路のことです。Google アナリティクスでは「デフォルトチャネル」と呼ばれる項目が最初から設定されています。
デフォルトチャネル一覧
-
Organic Search(オーガニック検索)
GoogleやYahooなどの検索からのアクセス -
Direct(直接アクセス)
参照元のサイトがない場合のアクセス -
Social(ソーシャルメディアからのアクセス)
Facebook、Twitter、Hatena Bookmark、Naver、Hatena Diary、mixiなどがソーシャルメディアからのアクセスとしてデフォルトで設定されています。 -
Referral(他サイトからのアクセス)
リンク元の情報/参照元サイト(referer)を持ったアクセス
アクセス解析では主に上記の平均セッション時間、ページ/セッション、直帰率、チャネルを日常的に使用します。
◯コンバージョン
サイト上で設定された目標に対しての成果を指します。ECサイトであれば、購入された回数や会員登録数などがコンバージョン(成果)として設定されます。
コンバージョンが達成された割合がコンバージョン率となります。
◯参照/参照元
他サイトにリンクが貼られて、そのリンクから流入があることを指しています。どこからの流入が多いのか(ポータルサイトなのか、SNSなのか)を見ることができます。
リンク先のURL(参照元)も表示されているので、どんなサイトにリンクされているのかわかります。
●まとめ
これまで、漠然と見ていた用語がなんとなくわかってきたのではないでしょうか。どれも基本的な用語ですが、認識を改めることで計測されている数値に意味が出てくると思います。また、基本の用語を理解することで、的はずれな仮説や検証が行われることを防ぐことができ、クライアントに説明を求められてもしどろもどろにならなくても済むかもしれません。
ぜひ、仕事に役立ててください。
<次回予告>
次回は、Google アナリティクスの基本的な見方をご紹介する予定です。