アマナイメージズが取り扱う2500万点にものぼるストックフォトの中には、教科書や図鑑などに使われる自然科学系の素材も数多く取揃えています。今回は、その中から先日まで放送されて話題となったアニメ「けものフレンズ」に登場したキャラクターの元になっている動物をご紹介します。


サーバル

サーバル。アニメ公式サイトのキービジュアルにそっくり!?

ララララ〜 ララララ〜♪‥‥ 頭の中でOP曲がぐるぐるリピートしております、巷で話題の「けものフレンズ」!素晴らしい最終回で本当に安心しました・・・
第4話の固まった溶岩を見た時から所々怖くてですね、一体何があったのかと。そして第11話のまさかの展開、翌週まで心ここにあらずなフレンズさんが多かったかと思います(私もその一人)。
ですがそれ以上に、かばんちゃんの機転、フレンズたちの協力&十人十色な能力によって問題を解決していく各回、いつもドキドキしながら「すごーい!」と感動していました。

前置きはこのくらいにして・・・
アマナイメージズでは自然科学の写真もいーっぱいあります。アニメを見て興味が湧いた皆様や、アニメをご覧になっていない皆様にも、ぜひキャラクターの元になっている動物たちについて写真付きでご紹介したい!させてください!
アマナイメージズで自然科学系作品の仕入担当で、動物の生態にも詳しい“いしいおにいさん”による解説付きでご紹介いたします!

 

ホントは単独行動が好き ― サーバル

サーバル

解説
足が長く、頭は小さく、耳は大きく丸いのが特徴です。体色は黄褐色に黒い斑点がたくさんあり、チーターにとても似ています。サバンナや草原に生息し、水辺のアシ原や沼地を好みます。
獲物は小型の哺乳類にほぼ特化しており、背の高い草原で長い足と大きな耳をいかしてネズミ類を捕食しますが、時には若いトムソンガゼルやダイカー類などのより大型の獲物も狙い、小型鳥類やトカゲ、カエルなども捕食します。
基本的には単独生活で、複数で観察されるときは交尾期の雌雄かこどもとその母親です。繁殖時の巣は密集した藪の中やツチブタやヤマアラシの掘った穴を利用し、通常2頭を出産します。こどもは生後6か月ほどで犬歯が生え、自分で狩りをし始めます。

みんな大好き我らのサーバルちゃん。大きいお耳とジャンプ力がとくちょー的。かばんちゃんと色々なちほーを冒険してきたように、実際に草原だけでなく水辺や沼地などもナワバリにしているみたいですね。獲物は小型から、時には大型の哺乳類まで?!
「た、食べないでくださーい!」「食べないよ!」

フレンズ図鑑 No.001
和名:サーバル
学名:Leptailurus serval
英名:serval
分類:ネコ目 ネコ科
食性:動物食
分布:アフリカ中央部から南部(サハラ砂漠以南)
体長:59-92cm
尾長:20-38cm
体重:7-13.5kg

洗っているわけじゃなかった!? ― アライグマ

アライグマ

解説
河川沿いや湖岸、湿地帯などの水辺に好んで生息しますが、都市部の環境にも適応し、生ゴミを荒らすことが知られています。地球上で最も雑食性の強い動物といわれており、果実や種子、甲殻類、魚類、小型脊椎動物、卵など、手にしたものは何でも食べます。
食べ物を洗うような行動をすることで有名ですが、食べものが汚れているかどうかにかかわらず、何でも水の中に入れることから、一説では洗っているわけではなく、指先の触覚を研ぎすませるための行動とされています。
現在、ヨーロッパやロシア、日本などで毛皮用、ペットなどで持ち込まれた個体が野生化し、外来種として問題視されています。

第1話Cパートで初登場したアライグマのアライさんです。うぅ、いしいおにいさんの解説はとっても現実的ですね…。でもこうやって見るとアライグマは好き嫌いもしない、木登りも泳ぐこともできる、適応力も高いなんてすごいフレンズなのだー!(という語尾が好きです、アライさん…可愛いですよね)

フレンズ図鑑 No.002
和名:アライグマ
学名:Procyon lotor
英名:raccoon
分類:ネコ目 アライグマ科
食性:雑食
分布:アメリカ・カナダ・メキシコ
体長:63-98cm
尾長:19-36cm
体重:2.7-10.4kg

実は小さい ― フェネック

フェネック

解説
イヌ科で最小で、アフリカのサハラ砂漠とその周辺の砂丘のある砂漠や乾燥地帯に生息しており、非常に大きな耳が特徴です。足の裏も長い毛で覆われていて、砂漠の熱い砂の上を歩くのに役立っています。
昆虫やトビネズミ、アレチネズミなどの小型齧歯類、トカゲ類、鳥類のほか、果実や球根なども採食します。小動物を捕獲するときは、他のキツネのように飛び上がって捕えるのではなく、地中にいる獲物を掘り起こして食べるようです。
基本的にはペアとそのこどもが一緒に生活しているようです。巣穴は開けた場所や木陰の砂を堀り、内部は大きく、迷宮のようになっています。特に硬めの土壌の巣穴には15もの出入り口があり、120平方メートルもの面積がありますが、やわらかい砂地では巣穴の入り口は一つでトンネルも一つしかありません。

かばんちゃんを追いかける前述のアライさんと コンビを組んで一緒に行動するフェネックさんてば、まるでアライさんのお姉さんみたいな存在だなって思っているのですが、原作のフェネックは、アライグマより体長がずーっと小さいんですね。場所によって巣穴のつくりが異なるのもアタマの良いフェネックさんならでは・・・?(笑
写真にものすごく癒されます・・・♪何と言ってもこのお耳の形ですよね。アフリカ北部、寒暖差の激しい地域に生息しているため体毛が長く、そのためこの大きな耳は体内の熱を逃がす役割があるのだそうですよ。すっごーい!

フレンズ図鑑 No.003
和名:フェネック
学名:Vulpes zerda
英名:fennec
分類:ネコ目 イヌ科
食性:雑食
分布:アフリカ北部
体長:33.3-39.5cm
尾長:12.5-25cm
体重:0.8-1.87kg

意外と獰猛 ― カバ

カバ

解説
陸上ではゾウ、サイに次ぐ大きさです。DNA解析の結果、四足動物の中で最もクジラに近いとされています。河川や沼に生息し、推定生息数は12万5000~14万8000頭です。
乾燥に弱いため、昼は集団で水に浸かって、夜になると大量の草を求めて地上を徘徊します。
口は150度まで大きく開くことができ、オス同士で争うときには、まず口を大きく開くことで牙を見せつけますが、お互いに引かない場合は、噛み合いに発展します。寿命は30年ほどと考えられています。
縄張りの誇示などのために尾を振り回して糞をまき散らします。

ピンクの汗をかくことで知られる「河の馬」ことカバですが、のんびりしたイメージと違い、実は獰猛な性格なんだとか。あくびだと思っていた口を開ける行為は威嚇そのもので、走ると人間よりはやーい。そして、そのスピードと力があるから かばんちゃんを助けられたんじゃないかなって思います。いざとなったら、がぶっといっちゃうそうですが、普段の性格はのんびりしてそうですよね、カバさん。

フレンズ図鑑 No.004
和名:カバ
学名:Hippopotamus amphibius
英名:hippopotamus
分類:クジラ偶蹄目 カバ科
食性:植物食
分布:アフリカ
体長:3.5-4m
体重:1.2-2.6t

マダガスカルの百獣の王 ― フォッサ

フォッサ

解説
マダガスカル島の固有種で、島では最も大型の肉食獣です。ピューマなどの小型ネコ科動物に近い体型をしています。島内のいろいろなタイプの森林に生息しています。
マダガスカルでは生態系の頂点にあり、哺乳類や鳥類、爬虫類、昆虫などを採食しますが、最も多いのは樹上性の哺乳類で、キツネザル類がかなりの部分を占めています。
出産は岩の割れ目や大木の洞、地面の穴などを巣穴として利用し、一般的には2頭、時には6頭産むこともあるようです。こどもは出産後4-5ヶ月で巣穴から出るようになり、1年くらいで母親から独立します。
生息地である森林の破壊、そして、狩猟や伝染病などによる個体群の減少が心配されています。

彼女の事、覚えていますか…?サーバルちゃんの噂について語っていた子です。アニメでは端役でしたけど、原作のフォッサはマダガスカルの百獣の王と呼ばれています!環境破壊などが原因で絶滅危惧種になってしまいました。あのながーいしっぽを器用に使って木登りや狩りを行い、なんと大好物がキツネザル。(こうやって考えると、じゃぱりまんの完全栄養食っぷりは本当にすごい、べんり)
見てくださいこのだらしないお腹・・・!生態系の頂点、王ゆえの自由さってやつですかね(触りたい)

フレンズ図鑑 No.005
和名:フォッサ
学名:Cryptoprocta ferox
英名:fossa
分類:ネコ目 ジャコウネコ科
食性:動物食
分布:マダガスカル
体長:70-80cm
尾長:65-70cm
体重:5.5-8.6kg

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。
さまざまな動物たち、住む環境によって得意なことは違うのです。姿かたち、みんな違ってみんな良い。ヒトだってそうです。そんなことに改めて気づかせてくれた「けものフレンズ」、おすすめいたします。興味が湧いたら、ぜひ、彼らに会いに動物園行ってみるのなんていかがでしょうか。きっとたーのしー!くなれると思います!

解説:「いしいおにいさん」こと石井義信(いしい よしのぶ)
アマナイメージズ エディトリアルプロデュース部 所属。 自然・生物系およびエディトリアル系の国内仕入を担当。 大学卒業後、自然・生物専門のストックエージェンシーに入社し、国内の第一線で活躍する作家や海外の専門エージェンシーの写真の 仕入、販売に従事。その後アマナイメージズにて継続して自然・生物系の仕入を行なっている。 言うまでもなく、生きものに対する興味、それらをとりまく環境への想いは尽きることがない。

 


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