プロフィール:高砂淳二高砂淳二
1962年宮城県石巻市生まれ。ダイビング専門誌『ダイビング・ワールド』の専属カメラマンを経て、1989年に独立。世界70ヶ国を超える国々を訪れ、海中、虹、生き物、風景まで、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどを テーマに撮影活動を行っている。また、数多くの写真集・エッセイを出版、高く評価されている。海の環境NPO法人"OWS(Oceanic wildlife society)"理事。


※この記事はamanaimages.comで過去に掲載されたものです

 

高砂淳二さんにお話を伺いました

海や自然風景、野生動物を専門に活躍されている写真家、高砂淳二さんに自然の神秘と生き物の親しみやすい表情を捉える秘訣を伺いました。

 

──写真家を目指したきっかけは何ですか?

最初に写真に興味を持ったのは、父の影響です。小さい時、父が自分で写真を撮って現像してプリントを作っていて、面白そうだなと思って。それから生まれ育った海の近くを離れて、海のない栃木県の大学に進学したんですが、やりたいことが見つからなくて、海が恋しくなって、ワーキングホリデーでオーストラリアに行ったんです。向こうでダイビングを始めたら、水中写真を撮っている人がいて「あ、面白そうだなぁ、僕もやってみよう」と。

高砂淳二

──最初に買ったカメラが水中カメラだったのですか?

そうですね。高校生くらいの時にキヤノンのAE-1をちょっと使っていましたけど、プロになろう、と思って買ったのはそれですね。水中に入っていろいろ撮ったのですが、これがまた面白くて。もしこれを商売にしたら、写真とダイビングと海外旅行と、そういうのをずっとやっていけるんじゃないかな、と思ったのですが、一緒に潜っている仲間の1人が「水中写真が売れた」と言って見せてくれて、「あぁ、そんな世界あるんだ」と。じゃあ、これをやろう、と思ったのが始まりです。22歳の時でした。


──最初のお仕事は覚えていらっしゃいますか?

マリン企画という会社のダイビング雑誌のフォトコンテストにたまたま入選したんです。編集者から電話がきて、インタビューに答えたりしたので、ちょっと売り込もうと思って。向こうは最初、カメラマンを採る気はなかったようですが、「何でもやります」って言ったら「何でもやるんだったら雇ってやるか」みたいな(笑)。最初は、本の在庫出しとか、雑用をやっていたのですが、ある日「ダイビングショップの写真を撮る人がいないから、撮ってきて」って言われて、それを撮ったのが最初の仕事でしたね。
そこからだんだん撮影の仕事ができるようになって、最初の海外ロケでは「水中は撮れるよ」っていう触れ込みだったので、水中は僕で、表紙なんかも撮る陸のカメラマンと二人体制で行きました。その時に陸もちょこちょこ撮って「陸も少しは撮れるじゃん」ってなって、その後はだんだん陸も任されるようになりました。

高砂淳二
──ご自身のお仕事のスタイルはどういうものですか?

基本的には好きなものを撮ろうと思っています。あんまり計算すると面白くないじゃないですか。何か撮りたいものがあって撮る、というのが一番の流れだと思うんです。
例えば僕の場合は最初水中を撮ってプロになりたいと思ったのが始まりですが、やっていくうちに自然のからくりが気になってきて、いろんな生き物を撮るようになりました。そしてそのうちにハワイに行くようになって、シャーマンみたいな人に出会って夜の虹の話を聞いて、「そんなのあるんだ」と思っていたらその3日後に夜の虹に出会ったんです。「うわ!これだ!」と思って、そこからもっといろんな虹を撮ってみたくなって、それで世界中をめぐり、いろんな虹の本を出して、みたいな。

高砂淳二

──不思議な巡り合わせですね

ここに出会って、こうなっていくと、今度はその先に何かテーマとか知りたいことができて・・・とやっているとまた誰かに出会ってテーマが見つかって、みたいなね。本当は仕組まれていたんじゃないの?っていう感じがあったりもするし、回転寿司のお皿が回ってくるような(笑)、巡り合わせがあるかな、と思って。だから、そういう流れに従って、自分が興味を持ったもの撮っていくというのを基本にしています。


──生き物の親しみやすい表情を捉えた写真が印象的ですが、秘訣は?

基本的に、僕がああいうのが好きなんです。客観的に望遠で生態を撮るっていうよりは、近くに行って、僕がいるのを意識してくれて、その中で撮るっていう。そもそも海の中っていうのは透明度の問題で2m以上近くならないとちゃんと写らないんです。だから自然と水中で撮る場合は相手と近づく訳ですよね。だから相手の様子を見ながら、逃げそうなやつは顔色伺いながら近寄るとか、イルカとかアシカとか好奇心の旺盛な生き物には面白い動きをしたり、わざと離れて気を惹きます。コミュニケーションしながら撮るいうのは海の中では当たり前なんですね。
そこから入ったからか、陸でもやっぱりそれをやりたいというか。基本的には遠くからこっそり撮るというよりは、近くに行って僕を認識してもらって撮った方が楽しいし、なんか親近感が湧く写真が撮れやすいかな、と思いますね。

高砂淳二
──ストックフォトを始めていかがですか?マナイメージズに期待する事は?

今までは、「いかにもストックフォト」という感じのところが多かったじゃないですか。でもアマナイメージズで作家別でギャラリーを作りたいって言ってもらって、そういうのだったらいいよねって思って。自分の作家性みたいなもので預かってもらえればいいな、というのがあったので、良い機会をいただいたと思っています。
ストックフォトとして預けている作品以外でも、「こういう写真ないですか?」って言ってもらえればそれに合ったものを出せるので、いろいろなところにご提案いただきたいです。

(2013年6月4日 インタビュー)

アマナイメージズで高砂淳二さんの作品を見る