こんにちは。アマナイメージズの松野と申します。 日々業務の中で写真を使う機会が多い若手デザイナーの方や、ご自身の提案するデザインにもっとバリエーションを持たせたい方へむけて、ストックフォトをひとつのデザインツールとして使いこなしていただけるよう、これまでのデザイン業務経験から得てきたヒントをご紹介していきたいと思います。
さて、チラシなどで良く「※写真はイメージです」なんて注釈がついた写真が見受けられます。ストックフォト業界ではそういった広告に使われる抽象的・象徴的なイメージ写真を「クリエイティブ」作品、片や、出版・報道・教材などに使われる事実を写した写真、要するにドキュメンタリー写真を「エディトリアル」作品と呼んだりします。今回は広告でよく使われる「クリエイティブ」のストックフォトについてお話しになります。 ※amanaimages.comでは「写真・イラスト」というページからクリエイティブイメージを検索できます。
商品やキャンペーンのターゲットを理解する
クライアントやCD、ADの要望を形にするのがデザイナーの役割ですが、デザイン作業をする上で一番大切な事は、そもそもプロモーションしたい商品やキャンペーンのコンセプトやターゲットを理解することです。ちゃんと理解していないと写真も選びづらいはずです。
●商品の特徴やコンセプト ●誰に向けてプロモーションなのか ●プロモーションする季節
これらを打ち合わせでしっかり聞き出しましょう。 仮に人物のイメージ写真を探したいとき、写っているモデルの性別や年齢、衣装がプロモーション内容にあっていないと、伝えたいことも伝わらないですよね。
例えば、とあるサービスのキャンペーンDMのデザインを発注されたとします。発送時期は秋、テーマは「ハロウィン」で、予算やスケジュール的に、ビジュアルはストックフォトなら使えそうとうなった場合、まずはどのようにイメージを探しますか?
ストックフォトを探す上で一番重要なポイントは、思い描いている完成イメージにどれだけ近いものが見つけられるかがポイントです。手書きのラフスケッチで、どんなレイアウトにするか、文字情報はどれくらいか、配色は、写真は縦位置か横位置か、先に詰めれるだけ詰めておきしょう。
テーマまんまのキーワードだけで検索を終わらせない
ハロウィンのテーマの作品を探すとき、そのまま「ハロウィン」というキーワードだけで検索して終わっていませんか? ヒットする写真に「ハロウィン」と付いているのは、フォトグラファーやストックフォト提供側の意向で付けられた、ある意味、誰かのおすすめ作品となります(もちろん内容や品質的にも的確なものなので、選んでいただければ提供側としても幸いです)。 それはそれで正解なのですが、クリエイターとしては、もう一歩踏み込んでより良い作品を探してみましょう。
連想したキーワードはメモしておくと楽
まず「ハロウィン」で検索して良い作品が見つからなかったら、テーマから想定できるあらゆるキーワードを入力してみましょう。ただし、検索中に新たなインスピレーションを受けることも多く、アイデアに広がりを持たせるためにも、逐一思いついた言葉は、メモしておくと良いでしょう。
メモしたキーワードを、ひとつずつ潰していくイメージです。
上司に「ちゃんと探したの?」って言われないようするためにも、結構メモは重要です。
[ex.ハロウィンから連想するキーワード] ・カボチャ→オレンジ ・お化け ・お菓子 ・子供 ・仮装 ・秋→茶色、オレンジ
などなど・・・これらを検索窓に入力していくわけですが、ビッグワード1語だと検索される量が多いので、「子供 仮装 –日本人」などキーワードを追加、またはマイナスしてより具体的な検索結果になるように絞り込んで行きましょう。ただし逆に条件を絞り込みすぎると、すごく良い写真を見逃すこともあるので、注意が必要です。
急がばまわれ。最低2000枚は見る キーワードを調整しつつ、ヒットする作品群をざっと見ながら、ヒット件数が2000枚ぐらいになったら、1ページずつ慎重に見ていくようにしましょう。昨今、各社ストックフォトのサイトの登録作品点数的にも、1検索ワード最低2000枚程度は見ないと、良い作品に巡り会えないと思われます。
これはあくまでアマナイメージズのリサーチャーから聞き出した目安で、時間、体力、気力と相談しながら調整しましょう。
ストックフォトサイトの傾向を知る
amanaimages.comの場合、「新着順」は、
また各社ストックフォトサイト、それぞれどんな作品があるか、どんな作家がいるか、どんなキーワードのクセがあるか等、各社の傾向を把握しておくと、次にストックフォトを使う機会が出てきたとき、デザイン作業をより効率化させることができるでしょう。
ストック素材だからこそできる提案を
さて、良い作品は見つかりましたか?ストックフォトならモデルもあらゆる人種がいたり、世界各地の風景写真や有名な絵画まで膨大な数がストックされており、アイデアは無限大に広げることができます。また新規撮影ほどの予算を気にせず、提案に幅を持たせることもできます。 クライアントの要望に従った案をおさえる事がまずは重要ですが、もし提出まで3時間ほど余裕があれば、さらに案をプラスしてみてはいかがでしょうか?例えば写真案以外に、イラストやベクター素材などを使ったグラフィック重視案や、新しいフォントを使ったタイポグラフィー案などはいかがでしょう。
提案の幅やクリエイティビティが広がれば、上司もクライアントも親も喜んでくれるはずです!
ぜひ柔軟にストックフォトサイトを活用してみてください。