【プロフィール】中谷幸司中谷幸司

北海道生まれ。プログラマーとしてwebのプログラミングの仕事に携わる一方で、超高層ビルや東京スカイツリーなど国内外の超高層建築物をメインに撮影。超高層ビルを集めた写真集『超高層ビビル』シリーズ(社会評論社)、東京スカイツリーの建築過程を撮り続けた写真集『東京スカイツリー定点観測』(飛鳥新社)の著書がある。


※この記事はamanaimages.comで過去に掲載されたものです

中谷幸司さんにお話を伺いました

写真集『超高層ビビル』シリーズの著者として有名な超高層ビルマニア、”なかやん”こと中谷幸司さん。地上からだけなくヘリを飛ばして空撮するなど、国内外であらゆるビルを撮影し続ける中谷さんに、超高層ビルに賭ける想いを伺いました。

中谷幸司
──なぜ、超高層ビルなのですか?

子供の頃、家の周りは戸建やアパートばかりで、高い建物と言えば5階建のマンションくらいでした。そういった低層の建物しかない環境が影響したのか、車で出掛けるときに見かける知らない街の高層マンションを眺めるのが好きでした。また、家にあった図鑑に新宿の超高層ビル群の写真が1枚載っており、その写真は飽きずに何度も何度も見ていた記憶があります。このように気付いたときには超高層ビル好きになっていました。

──超高層ビル撮影の魅力についてお聞かせ下さい。

魅力は都会的、近未来的な光景です。特にどこまでも続くような超高層ビル群が好きです。一昔前までは超高層ビル群と言えば新宿でしたが、今は東京駅周辺から六本木あたりまで続く超高層ビル群が一番迫力があると思います。
ただ、ところどころ超高層ビルの空白地帯があります。しかしそういった所には大抵超高層ビルの建設計画があり、今後、途切れることのない超高層ビル群に成長すると思います。このように、超高層ビルを撮り続けることで街の変化も撮影出来るところも魅力的です。

──超高層ビルの撮影を始めた経緯を教えてください。

今から10年くらい前、中古のフェアレディZを買ったときに車の写真を撮りたくてコンパクトデジカメを購入しました。車の撮影後は撮りたいと思う物がなく宝の持ち腐れとなっていたのですが、ある日、月島にもんじゃ焼きを食べに行く機会があり、月島から見える佃のリバーシティ21のタワーマンション群に衝撃を受けました。そのときにデジカメの存在を思い出し「超高層ビルや超高層マンションを撮ろう」と思ったのが超高層ビル撮影のきっかけです。その出来事の翌週にはもう超高層ビルの撮影をはじめていたと思います。
こうして超高層ビルの撮影を始めたのですが、当時持っていたメインコンテンツのないホームページに超高層ビルの写真を載せたところ、アクセス数が伸び始めたんです!そして、調子に乗って都内や横浜など各地の超高層ビルを撮影するようになりました。そのうちコメントも頂けるようになったのですが、その中に写真がプロ級の人がいて「写真は機材が重要」というようなことを言っていました。それに影響を受けてデジタル一眼レフの世界に足を踏み入れ、そこから本格的な超高層ビル撮影がスタートして今に至っています。

中谷幸司
──撮影中のエピソードについて教えて下さい。

超高層ビル撮影をはじめた頃は「何を撮っているのだろう?」という感じでジロジロ見られたこともありましたが、デジカメが普及し、写真を公開出来るサービスも増えたこともあって、街で写真を撮る光景は日常となり、今では変な目で見られることもなくなりました。ただ、中国に行って超高層ビルを撮影していると「何か珍しいものでもあるの?」という感じでジロジロ見られることが多いのが印象的です。

──これから撮ってみたい国内外の超高層ビルはありますか?

国内で高さ100mを越す竣工済みの超高層ビルはほとんどを撮影しており、全て撮影終えるまで残りわずかとなっています。今年中に撮り残している超高層ビル(新潟、広島、福山、久留米など)を撮影する予定です。また、撮影済みでも写りの悪い写真も多々ありますので、そういったところは時間があるときに再撮影に行こうと思っています。
国外だと、またドバイに撮影に行きたいです。2010年にドバイに撮影に行ったのですが、当時建設中だった建物が色々と完成しているようなので今の姿を見てみたいです。特にドバイマリーナに建つ超高層マンション群は高さ400mを超えているのもあり凄いことになっています。

中谷幸司
──将来的に実現したいプロジェクトや計画はありますか?

国内に建つ高さ100m以上の超高層ビルの撮影はゴールが見えて来たので、次は世界の超高層ビルを撮影して周りたいです。さすがに国内と同様に高さ100m基準だと無理があるので、高さ300m以上基準で撮影出来ればと思っています。ただ、北朝鮮の柳京ホテルが高さ330mもあるので、これはどうしようかと悩むところです(笑)

──最後に、ストックフォトを始めた感想をお聞かせ下さい。

アマナイメージズは他のフォトストックと違って、誰でも作家として参加出来るわけではないので、クオリティの高い写真が非常に多く、サンプル写真を眺めるだけでも色々と刺激を受けます。今後もこのクオリティの維持、向上を目指して欲しいです。自分の写真が足を引っ張らないように腕を磨ければと思います。

中谷幸司

──ストックフォトを使う方にメッセージありますか?

普段は、プログラマとして勤務していることもあり、写真の登録作業がかなり遅れてしまっています。登録されていないだけで超高層ビル写真のストックはたくさんありますので、アマナイメージズを通じて連絡を頂ければご希望の写真があるかもしれません。東京都心の空撮写真などもあるので是非お問い合わせください。
超高層ビルの写真と言えば中谷だと言って頂けるよう、今後も超高層ビルの写真を撮り続けます。

(2013年1月30日 インタビュー)

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