デジタル領域に特化した広告賞として、今年で4回目の開催となる「コードアワード」。今年は、国内外より、過去最高となる147作品の応募があり、7月12日に受賞作品の発表が行われました。

アマナイメージズでは、今回のコードアワードにご協力させていただいた関係で、最終審査会を拝見させていただくことができましたのでレポートします。
※以下、敬称略

コードアワードとは?(公式サイト)
受賞各賞

 

最終審査会レポート

6月某日、コードアワードを主催しているD2C社内、D2Cホールにて最終審査会が行われました。最終審査会では、事前にファイナリストとして選ばれている30作品から、各賞を決めていくことなります。審査をするのは、PARTYの代表・伊藤直樹さんを審査員長とする、総勢8名の錚々たるメンバー。彼らが、既に今年を代表する作品ばかりのファイナリスト30作品から、どのように各賞を決めていくのか、また、どんな議論が繰り広げられるのでしょうか。

 

アイスブレイクからスタート

審査会は、審査員長である伊藤直樹さんの司会進行の中、まずはアイスブレイクとして、審査員の皆さんの自己紹介からスタートしました。

コードアワード

 

皆さんの自己紹介の中で印象に残ったのが、最近の仕事の傾向として「(純粋な)広告の仕事が減ってきた」という言葉。実際、今回審査員として参加されている、制作系の各社さんは、まさに「何屋なのかわからなくなってきた」と言うほど、様々なクリエイティブの表現をされていて、この言葉に皆さんが同意されていました。

これが、この後の審査の流れを作っていくことになりました。

 

審査スタート

そしていよいよ、ファイナリストの各作品を見ながら、賞を決めていきます。

 

コードアワード

 

実際に作品をみんなで見ながら、意見を交わしていきます。

 

コードアワード

また、実際に体験が出来る作品については、審査員も体験をして審査します。

コードアワード

 

“デジタルエクスペリエンス”をどう捉えるか?

その際に、ところどころで議論になったのが、どこまでをコードアワードとしての受賞対象とするのか、ということ。“デジタルエクスペリエンス”という言葉がキーワードになっているのですが、どこまでを“デジタルエクスペリエンス”とするのか、が議論の中心となっていました。

そのきっかけになったのが、ビームスの「TOKYO CULTURE STORY」でした。

本作品は、最終的に「ベストキャンペーン賞」を受賞することになりますが、映像制作の観点からすると、非常に難易度も高く、作り込まれていて、「これに賞をあげない訳にはいかない」というほどの作品ですが、YouTubeで映像を配信する、という手法が、“デジタルエクスペリエンス”として該当するかが議論のポイントとなりました。

「TOKYO CULTURE STORY」の場合、YouTubeで映像配信するという手法は、2年前ならまだしも2017年においては新規性はない、という意見もありつつ、一方で、映像の中にハッシュタグがあったり、ネットを意識した映像の作りになっているという部分においては、この映像を見ながらスマホ片手に検索をするという行動をユーザーはとったのでは、という観点から、総合的に“デジタルエクスペリエンス”が設計されている、という評価がなされていました。

 

“イノベーション”とは?

もう一つの論点となったキーワードは“イノベーション”でした。この言葉の定義についても、人によりかなり差があり、あいまいなものであったため、まず共通認識を作るところからスタートしました。最終的に、この場での定義として、田川さんによる「今まであり得なかった組み合わせや発想で作られたものが、世の中に広まって浸透し、二度と社会がそれ以前の社会に後戻り出来なくなった状態」という定義を基準とし、議論がなされました。

 

公平かつ丁寧な審査

全体を通して印象的だったのは、今回、現在のクリエイティブ業界でもトップクラスの方が集まっているため、ファイナリスト作品に直接関わっている方も多く、自分で自分の作品を評価するのは公平ではない、ということから、自分が関わっている作品についての議論には加わらず、会場の外に出る、ということが行われていました。

コードアワード

 

このように、審査員の皆さんが、コードアワードの目的や、各賞の定義について真剣に議論を交わし、各作品についても丁寧に、また公正に評価をしながら、各賞が決定されていきました。

 

ついにグランプリが決定

グランプリの決定は、最終的に2作品で議論がなされました。その2作品とは、江崎グリコの「GLICODE®」と、パナソニックの「聞き間違えない国語辞典」でした。

まず、この2作品がグランプリ候補として残っていることについて、審査会の冒頭にあった、「(純粋な)広告の仕事が減っている」という傾向、つまり、“広告らしくない広告”が増えている、という今年を象徴する2作品だった、という評価がなされていました。

その中で、「GLICODE®」を推す意見としては、「コードアワードの定義からしても、デジタル、プログラミングを身近なものにし、将来的に広がるポテンシャルを感じる」「ネーミングもいいし、全体的な作り込みが素晴らしい」などの意見があり、一方で、「国語辞典」を推す意見は、「社会課題にコミットしていて、スケール感として大きい」「これまで日本人が気づいていなかったことを形にし、かつAIを使った技術は評価に値する」などの意見がありました。

その上で、最終的には投票が行われ、「GLICODE®」がグランプリとして決定されました。

 

コードアワード

 

このように、開始から4時間に渡って濃密な議論の下、審査が行われ賞が決定していきました。作品への直接的な意見など、様々な関係もあるため、詳細をお伝え出来ないのは残念ですが、現在の日本のトップクラスのクリエイター達が集まった議論は、「こんな見方があるのか」といった発見や、深い洞察など、聞いていてとても勉強になり、また、クリエイティビティを刺激されました。

普段は、クリエイターを支援する立場からクリエイティブに関わっていますが、我々も、クリエイターを刺激出来るようなサービスを提供していこうと、気持ちを新たに出来る機会となりました。

 

以下に、各審査員の方からのコメント、および、各賞へのコメントを掲載します。

 

審査員コメント

伊藤直樹さん(審査員長・PARTY クリエイティブディレクター)
コードアワード

イノベーションとは何か。クラフトとは何か。各部門のクライテリアをひとつひとつ細かく定義していきながら、各賞を決めていきました。今年からエントリーが有料になったにもかかわらず、過去最高のエントリー数となりました。各部門のベストとグッドはどれもレベルが高く、今年はかなりの粒ぞろいと言っても良いと思います。そのなかでも「GLICODE®」と「聞き間違えない国語辞典」がグランプリ候補に残りました。「GLICODE®」は各部門では当初ベストに選出されていませんでしたが、イノベーション、クラフト、イフェクティブ、キャンペーン、ユース・オブ・メディアのどの部門でも点数が高く、総合力でグランプリに選ばれました。“ 逆転優勝 ”といっても過言ではありません。IoT、AR、人工知能、データサイエンス、スマホ決済など、世の中のデジタル・トピックについて、どの受賞作品も素晴らしい答えを提示していると思います。

 

キリーロバ・ナージャさん(株式会社電通 電通総研Bチーム クリエーティブ / コピーライター)
コードアワード

受賞されたみなさま、本当におめでとうございます!今年一番印象に残っているのは、「デジタル・エクスペリエンス」とは何か?その定義は何か?といったコードアワードの核となる部分について深く議論を重ねたことです。「イノベーション」は、スケールやテクノロジーで人を驚かすことから、どう人々の生活に入り込んで、変えていくかという視点に。「クラフト」は、技術面における高度な作り込みから、もっと広範囲な「手仕事」に着目。「イフェクティブ」はただ「バズッた」に留まらず、その結果世の中にどんな新しい「行動」を提供できたか。「キャンペーン」は、今までにない発想でどのように人々を驚かせたか。「ユース・オブ・メディア」は、今までにないところにアイディアを忍ばせることでどう課題解決につなげていったか。受賞された作品は今年の「CODE(Creativity Of Digital Experience)」のショーケースになっています。

 

齋藤精一さん(Rhizomatiks Creative Director / Technical Director)
齋藤精一さん

デジタル広告は何なのか?
そもそも広告は今の時代に何をすべきなのか?
テクノロジーが当たり前になった今だからこそ、それをどう加速できるのか?
そんな疑問をこの2年ずっと考えていた私にとって今回の審査は非常に刺激になるとともに、審査員のみなさんと審査を通じて深く議論をしました。

今までの全投下型の広告から、デジタルツールによって離散した構造になった今、コミュニケーションは大きく変わっています。
だからこそ、広告が教育やまちづくり等の機能を持つことができるし、それを創るクリエイティブに関わる人も変わる必要があります。
テクノロジーはあくまでも道具になり、今までの人間ならではのコミュニケーションと同等に扱いうまくトンチを効かせて混ぜていく必要があります。どちらに頼りすぎても時代遅れになってしまい、多くの人には届かなくなってしまいます。
これは答えの無い旅ですが、それも含めて楽しみながら大きな広告クリエイティブのうねりを俯瞰しながらものを作る時代になりました。大いにこの時代に創ることを楽しみたいものです。

 

佐藤カズーさん(TBWA\HAKUHODO チーフ クリエイティブ オフィサー)
佐藤カズーさん

イノベーションとは何か?が問われた審査でした。瞬間風速的にしか存在しないプロダクトやサービスはイノベーションではない。もはや時代にあっていないのでしょう。アイデアがどうスケールしていくのか?それによって世の中にどういった行動変化、態度変容が起こるのか。そこまで見えてこそイノベーションであると。面白い時代になってきました。

 

田川欣哉さん(Takram 代表 / デザインエンジニア)
田川欣哉さん

私が日々手がけているのは、クライアントと一緒にプロダクトやサービスを作っていくような仕事です。そんな私が広告賞の審査をやることになっていること自体が、時代の流れを表しているように思います。つまり「プロダクトやサービスを作ること」と「それを知ってもらうこと」との垣根が融解している。それが現在なのだと思います。各部門の入賞作品を見ていると、この流れを上手く掴んでいる人たちが良い仕事をしているように思います。5時間におよぶ最終審査では、審査基準・クライテリアの明確化に多くの時間を費やしました。今何をどのような基準で評価すべきか。価値とは何か。選ばれた作品群を眺めてみると、その輪郭がうっすらと見えてきます。しかし、その輪郭は日々姿を変えるはず。そして、輪郭の中心にどっかり構える不動の価値も存在しています。通奏低音と踊るメロディーコード。そう、時代のCODEを聴き分けるセンサーが僕らをガイドするのです。

 

田中里沙さん(事業構想大学院大学学長 / 宣伝会議取締役メディア 情報統括)
田中里沙さん

コードアワードは、年々進化をしている。応募者も審査員も、だ。
デジタルがもたらす最高の体験を、多様な尺度で測ろうとする試みは、未来への挑戦でもある。参加企業の取組は、目標に対する成果に留まらず、広告コミュニケーションの枠を超えて、切り口、表現、価値提案を含むアイデアに新しさと実行力があるかどうか。とても”欲張り”な賞だ。各社の企画は新鮮で、入賞作にはそれぞれに光る個性や魅力があったが、審査会では社会への影響度、生み出した副産物、将来への布石などを想像し、見極める場面が続いた。幅広いフィールドで活躍する審査員の方たちは、論評だけでなく、自らも最前線で闘うプレイヤーでもある。その中から選出された受賞作は世の中を確実に変える、素晴らしい企画であると同時に、さらなる進歩が期待される。コードアワードはその舞台となり、各社や制作者の方々が互いに刺激を受けあう機会になっていると確信した。

 

築地Roy良さん(株式会社BIRDMAN 代表 / クリエイティブディレクター)
築地Roy良さん

受賞者のみなさま、おめでとうございます!去年に引き続き審査員を務めさせていただきましたが、去年と大きく違うのは、今年はグランプリに値する作品が数多くあったことだと思います。それによりかなり白熱した議論が繰り広げられました。特にグランプリを獲った「GLICODE®」とベスト・イノベーションを獲った「聞き間違えない国語辞典」は現代の社会課題に対する一つのソリューションとして高く評価されました。コードアワードはデジタルエクスペリエンスを賞するアワードなので、今年の受賞作品はそれぞれがまさにそのデジタルエクスペリエンスを具現化した作品だったと思います。そして去年と比べ海外からの応募も増えたことが印象的でした。その中からも受賞作品が出たことで少しずつコードアワードが国際化していっている実感があります。それらも踏まえ、このコードアワードが日本のデジタルクリエイティブの底上げになっていって欲しいと強く願います。今回もこのような機会をいただきましてありがとうございました。

 

本間充さん(アビームコンサルティング株式会社 デジタルトランスフォーメーションビジネスユニット デジタルマーケティングセクター ディレクター)
本間充さん

コードアワードの審査に初めて参加させていただきました。審査会では、この広告賞のユニークさを再確認し、多くの作品についての議論を行いながら、世の中のシフトを感じることが出来ました。最新のAIを使っていながら、技術自慢ではない広告。AR/VRをあまり感じさせない、広告。そして、非常に複雑な映像技術を使っているが、見るものにはストレスを感じさせない広告。今年の作品の多くが、技術を全面に押し出した広告ではなく、技術を使ったコミュニケーションが主となるものになっていました。さらに、狭義の広告の枠を超えた、サービスやユーティリティーに近い存在のものもありました。広告賞の境界線も変わり始めています。今年のコードアワードは、技術だけではなく、マーケティング・コミュニケーションを審査できたアワードとなりました。


(審査員長以下、五十音順)

 

各賞コメント

【グランプリ】GLICODE®
コードアワード

齋藤 精一 コメント:
「GLICODE®」は、まさに今年を象徴している作品だと思います。近年の広告が広告でなくなりつつある中で、広告=ブランド、商品へのブリッジをしっかりとしつつも社会性を捉えている絶妙なバランスの作品だと思いました。審査員の一人として「僕がやりたかった作品 / I wish I did.」です。とはいえ、広告を原資として作られるものは、「キャンペーン」として一過性でしか展開できないのが現状です。この作品も含めて、広告のクリエイティブ変化だけではなく、そもそもの広告の「建付け・構造」についても考える必要があると思います。「教育」や「経年劣化をしない作品」は、業界全体で継続して続ける努力をする構造改革も必要だと思いました。いろいろな意味で感銘を受け、考えさせられる作品でした。おめでとうございます。

 

 

【ベスト・イノベーション】聞き間違えない国語辞典
コードアワード

田川 欣哉 コメント:
「聞き間違えない国語辞典」はもう少しでグランプリになるところまで行った作品です。審査員の決選投票で4対3の1票差で惜しくも負けた作品なんです。本当に惜しかった。耳の遠い人々に向けた解決として、聞き間違えの少ない日本語を教えるという、オリジナリティの高い切り口。それをデータとAIを使いシステマティックに辞書化し、見た目もユニークな「聞き間違いひらがな」として美しく可視化。最終的にアプリとして仕上げています。そして、このアプリを使って、例えばキャビンアテンダントの話し方トレーニングに応用したりと、きちんと社会実装にまで踏み込みました。技術をきっちり使った、まさにイノベーティブなアプローチで感服しました。これに広告的効果を生むための施策があといくつか組み合わせられていたら、グランプリだったのではと思います。「作る」と「知らせる」の未来を垣間見た作品でした。

 

 

【ベスト・クラフト】NIKE UNLIMITED STADIUM
コードアワード

佐藤 カズー コメント:
広告は80%が“アイデア”、80%が“エグゼキューション”だとJohn Hegartyが言ってましたが、デジタルはここにさらに80%の“エクスペリエンス”が加わってくるのかなと。今回の受賞作は見事にこの3つのどれを欠けることもなく、全て高次元で満たしていると感じました。お見事です。

 

【ベスト・イフェクティブ】バレンタインポスト
コードアワード

田中 里沙 コメント:
審査基準において「成果」をどう考えるか。審査の過程で皆が頭をかかえる大きな議論となった。その結果、経営課題を解決し、一定の成果を上げた上に、社会的な話題性やブランド価値向上も果たしたかどうかを判断し、成功した作品が選ばれた。「バレンタインポスト」は既存市場の中でチョコレートを贈ることに新たな意味と楽しさを提供し、特に若者世代に大きなインパクトを残している。

 

【ベスト・キャンペーン】TOKYO CULTURE STORY
コードアワード

築地 Roy 良 コメント:
ベストに選ばれた「TOKYO CULTURE STORY」ですが、実は私は一次審査では査対象外にしていました。理由としては審査の基準としてWeb動画がコードアワードの定義するデジタルエクスペリエンスに当てはまるのかがわからなかったからです。しかし審査員全員でコードアワードが定義するデジタルエクスペリエンスとはなんなのか、という議論を重ねこの動画のプロモーションはデジタルエクスペリエンスに値するという回答に達しました。何度も見たくなる圧倒的なクラフトとムービー内のハッシュタグがデジタル層を意識した作りになっているというのが解りやすいかもしれません。おめでとうございました!

 

【ベスト・ユース・オブ・メディア】タクシーの降り方が、変わる|JapanTaxi Wallet
コードアワード

キリーロバ・ナージャ コメント:
「ユース・オブ・メディア」部門では、新しい「枠」に、 アイディアとクリエイティビティを取り入れることで世の中の課題解決につなげている作品が高く評価された。ベスト受賞の「Japan Taxi Wallet」は、タクシー乗車エクスペリエンスで一番面倒な「支払い」に着目し、車内モニターとQRコードを使った決済システムで改善するアイディア。Uber導入の遅れやクレジットカード情報公開に敏感な日本の状況をうまく反映しているところもミソだ。

 

【パブリックベスト】世にも奇妙な物語&女子高生AIりんな プロジェクト|フジテレビジョン

一般投票者コメント:
「放送と連動して、人工知能であるりんなとLINEで会話しながらテレビを見る体験は、デジタルコミュニケーションそのものだ。」「怖いってわかってるのにスクロールする指を止められない。新感覚の恐怖体験で面白かった。」「長寿番組でありながら新しいことにチャレンジしようという積極的な姿勢がすばらしい。」など。

 


 

以上、コードアワード2017の最終審査会のレポートをお届けしました。

審査会の中でも語られていましたが、これまでの広告らしい広告から、よりテクノロジーや新たな表現手法を駆使しながら、またデジタルでもリアルも使いながら、総合的な構想力や企画力が求められる時代になっていると実感しました。

作品を見るだけでも、とても刺激的ですが、ぜひ来年はグランプリ目指してチャレンジしてみよう!と思われた方は、コードアワード公式サイトをウォッチしつつ、来年のコードアワードにチャレンジしてみてください。

 

【追記:2017年8月7日】

8月2日(水)に、D2Cホールにて、贈賞式が開催されました。各賞ベストの受賞者の皆さんが登壇し、審査員よりトロフィーを授与されていました。
 

コードアワード贈賞式

各賞の受賞者を見ていると、何度も登壇をされる方もいて、すごいなと思う一方で、もっと多くの方がここに上がるようにならないと、日本のクリエイティブが発展していかないのでは、ということも感じました。今回の受賞作品の多くは、単なるクリエイティブだけでなく、テクノロジーも駆使した作品が多く、一般企業や制作会社では技術的にも予算的にも難しい領域まで来てしまっているのは事実だと思います。その中で、いかに面白い作品、そして社会的に意義のある、またインパクトのある作品を生み出せるか、というところにチャレンジしていくことで、クリエイティブ業界に広くイノベーションが起こせるのでは、と感じました。