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続いて、株式会社アマナ チーフ・ブランディング・オフィサー、アマナビの代表を務める児玉氏が登壇。
コンテンツ作成時に欠かせない「写真」を使ったフォトブランディングの活用方法について伺った。

一目で企業「らしさ」が伝わる理由

冒頭、プロジェクターに映し出された広告キービジュアルから、どのブランドかを当てるクイズが出された。
デニムを履いたさわやかな外国人男女・・・GAP
ティファニーブルーをバックにしたジュエリー・・・ティファニー
ナチュラルなインテリア・・・無印良品
など、ブランド名や商品の情報がなくても、写真を見ただけでブランド及び企業が特定できることに驚く。

 

フォトブランディングとは

写真を見ただけで企業が分かるようにすること。
写真を見てそのブランドを想起できるということは一番効率のいいブランディング戦略であると児玉氏。

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ビジュアライズすることの重要性
一目で○○と分かる企業「らしさ」。競争力、強みはなにか、コンセプトを言語化・可視化すること。フォトブランディングはそれをサポートする手法のひとつである。

写真の「情報」と「感性」

写真がもっている2つの機能は、下記2つに分類される。

・infomation =情報を伝える 花、ガーベラなど
・emotion   =感性を伝える  きれいだ、かわいいなど

以前、アマナが出版している本に「感性に伝わるフォトニケーション」というものがあるが、本の中で、写真の分類を見える化したカラーチャートマトリックスを紹介している。

エモーショナルスケール

企業のカラーイメージをコンサルしている日本カラーデザイン研究所と協力し、色×言葉の関係性をグルーピングしたエモーショナルスケールを作成。写真の持つCOOL & WARM、SOFT & HARDという2軸の表現の中に、マーケティング用語でよく使用される11のテイストを分類したものだ。マーケティングに活用できるマトリックスは、確かにさきほどの写真をマッピングしていくと、各ブランドそれぞれの打ちだしたいコンセプトがおのずと見えてくる。

PowerPoint プレゼンテーション

企業のコンセプトはマッピングで明確化できる

家の写真を見ても、カレーの写真をみても、靴下の写真をみてもその「ブランド」と分かる無印良品は、まさに強いフォトブランディング戦略の表れである、と児玉氏。たしかにシンプルかつトーン&マナーが揃ったビジュアルは、たとえ企業の名前がのっていなくても一目でわかってしまう効力がある。

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ペルソナもビジュアライズする必要がある?

コンテンツマーケティングにおいて重要なジオグラフィック、デモグラフィック、サイコグラフィックといったデータも、数字だったり言葉では形にできるが、人間の頭ではなかなかイメージが湧かないものだ。言葉や数字をチーム内だったり、より多くの人と共有するためにも写真に置き換える必要がある。コンテンツマーケティングにおける適切なビジュアル(写真)とは、ペルソナとコンセプトの間をとりもつ、翻訳機能のような存在であるとのこと。

ストックフォトを使ってペルソナを可視化してみる

四つの女性像をあげ、アマナイメージズで検索した女性のイメージ画像をエモーショナルスケールにマッピング。
例:)
都会的で先鋭的な30代の女性
ナチュラル志向で素朴な10代の女性
品の良いプレミアム世代の女性

清楚で若々しい20代の女性 

ペルソナである人物像のライフスタイルを可視化、言葉と写真を整理することによって、企業のコンセプトや伝えたいことが明確になり、コミュニケーションの方法やキャンペーンの打ちだし方のヒントにつながってくる。

商品やサービスを可視化してみる

上記でペルソナのイメージができたところで、実際に上記のペルソナにどういった商品を提供していきたいのか、商品イメージをそれぞれ可視化し、マッピングしてみることに。

こちらは、児玉氏が講師を務める楽天大学の「フォトブランディング講座」でも教えている内容でもあるとのこと。
Eコマースの場合は特に写真の重要性が高いため、楽天の出店者はフォトブランディング力が必要不可欠なのである。

ここでは、楽天の出店者が実際に撮影したベーグルの画像をサンプルに、上記のペルソナに合うものをピックアップした。

例:)
・DEAN & DELUCAから出しているようなスタイリッシュなベーグルの写真
・無印良品のようなドシンプルな真俯瞰からとらえた、いらない情報が一切ないベーグルだけの写真。
・ヨーロッパの老舗のベーグル屋さんのようなクラシカルなイメージ、引きしまった黒バックの写真。  

・朝日が差し込んでいるような、ナチュラルな風合い、オーガニックの素材を使ったイメージ。

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これをそれぞれのペルソナに合わせると・・・2つのビジュアルがとてもマッチしていることが分かる。

同じベーグルの商品でも、ペルソナに合わせてテーマ別に写真を展開していくことで、ここまで違うテイストで表現できるということが分かる。

エモーショナルスケールを使った、コンテンツマーケティングにおけるペルソナの考え方・表現の仕方をご紹介したが、いかがだっただろうか。是非ストックフォト等を使ってペルソナをビジュアライズし、周囲との情報共有、ブランディング戦略に活用していっていただきたい。
ワークショップの様子

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