よく「日本はアメリカの3年遅れ」、などと言われますが、マーケティングでもやはりそうかも知れません。アメリカでは、既に2015年の段階で、広告主企業がマーケティング予算の約60%を投下している分野が、今回ご紹介する「ブランドアクティベーション」領域です。皆さん、この「ブランドアクティベーション」という言葉、ご存知でしたでしょうか?この記事では、「ブランドアクティベーション」の定義と具体的な戦略・戦術についてご紹介します。

ブランドアクティベーションとは?

まず「ブランドアクティベーション」の定義からご紹介します。2016年4月に、全米広告主協会(ANA)が「 “The U.S. Brand Activation Marketing Forecast 2016,” 」というレポートを発表しました。ちなみに全米広告主協会という団体は、その名の通り広告主を中心に代理店や法律事務所等から構成される団体で、今年設立108年目を迎える歴史と影響力のある団体です。そこが、これまで定義がばらばらだった「ブランドアクティベーション」を定義し、かつ、全米でこの領域に使用されている予算が全体の60%に及ぶ、と発表しているのですから、日本のマーケティング業界にとっては“寝耳に水”といったところでしょうか。

さてそのレポートの中では、「ブランドアクティベーション」を次のように定義しています。

the convergence of media platforms and channels to shape the way consumers experience brands by employing actionable marketer insights and strategies to bring a brand to life. What defines strong brand activation is the way they are used together, and with traditional media, to drive results through consumer behaviors and/or actions.

簡潔に訳すと、

メディアプラットフォームやチャネルを活用し消費者にブランドを体験させ、態度変容や行動を取らせるように働きかけること

といった感じでしょうか。まぁ、これだけ見ると当たり前のことのような気もしますが、この「ブランドアクティベーション」を実践する方法として、以下の6つを規定しています。

  • プロモーションマーケティング
  • リテイラーマーケティング
  • リレーションシップマーケティング
  • エクスペリエンシャルマーケティング
  • コンテンツマーケティング
  • インフルエンサーマーケティング

このように見ると「ブランドアクティベーション」は広告以外の方法で、いかにブランドを体験させるかという手法であると言えます。「ブランドアクティベーション」の活動において重要なことは、広告で伝えているブランドプロミスが真実であることを証明することだ、とも言われています。

それでは、この6つの戦略について、全米広告主協会(ANA)の定義を元に、みていきましょう。

プロモーションマーケティング

プロモーションマーケティングは、すぐに買ってもらうための各種施策になります。ANAでは、例としてクーポン、懸賞、キャッシュバック、商品、スペシャルパッケージ、社会貢献、ライセンシングを挙げています。

リテイラーマーケティング

リテイラーとは商品を販売してくれる小売業者のこと。ANAで定義するリテイラーマーケティングとは、自社のブランドや商品を扱ってくれる小売業者と”win-win”の関係を築くことであるとしています。ブランドと小売業者との間で連携しながら、売上を上げていくための施策をブランド側が行うということで、手法としては、オムニチャネル戦略やECなどが挙げられています。

リレーションシップマーケティング

リレーションシップマーケティングは、顧客のロイヤリティを高めるための施策です。特定の顧客を分析し、ロイヤル化するためのプログラムを提供したり、そのためのデータベースマーケティングを行うというのが戦術となります。

エクスペリエンシャルマーケティング

エクスペリエンシャルマーケティングは、その名の通りブランドを体験してもらうための施策です。リアルイベントを開催したり、サンプリングを実施したり、体験会を行うといったことが施策となります。

コンテンツマーケティング

日本でも一般化している「コンテンツマーケティング」も「ブランドアクティベーション」の施策の一つ、ということになります。改めて説明するまでもなく、ブランドを様々な方法で伝えていくことがコンテンツマーケティングです。メディアだけでなく、パッケージや店頭、ブランデッドエンターテイメントといったものも具体例として挙げられています。

インフルエンサーマーケティング

これは今の時代のマーケティングを考える上で外せないポイントである、消費者がエンパワーメントされている、つまりテクノロジー(スマホやSNS等)により影響力を持っているという状況を活用したマーケティングです。特に、企業にとって必要なのは、一方的な情報発信ではなく、消費者も巻き込んだ双方向の対話です。具体例としては、SNSや口コミだけでなく、PRやカスタマーサービスなどにより顧客との双方向の関係を築くということも含まれてきます。

ブランドアクティベーションの現状

このように「ブランドアクティベーション」の定義や戦略・戦術について見てきましたが、一つ一つの戦略や戦術、また施策については、日本でも多くの企業が取り組んでいることだと思います。これを「ブランドアクティベーション」という言葉として定義され、注目されている背景としては、上記でみてきたとおり広告以外の手法を使って消費者にアプローチする必要性が高まっているという現状があります。

広告よりも友人の紹介や口コミの方が信用される時代ですし、一方でアドブロックが進み広告自体を消費者に届ける事自体が難しくなっています。そんな中、さまざまなタッチポイントで、ブランドに触れてもらう機会を数多く用意することで、消費者にブランドを認知してもらい、興味を持ってもらい、そしてファンになってもらうということが必要です。

今後、日本でも「ブランドアクティベーション」という言葉と共に、様々な成功事例がうまれてくるでしょう。みなさんの企業でも、取り入れてみてはいかがでしょうか?

なお、アマナイメージズでもブランドアクティベーションサービスをご提供しています。全世界2500万人のユーザーが、投げかけたテーマに対してそれぞれの感性で写真を投稿してくれる「EyeEm」を使ったソリューションです。ブランドメッセージの可視化やキービジュアルの制作など幅広くご活用いただけます。詳しくは、こちらをご覧ください。

Brand Activation Service amanaimages×EyeEm

 

<参考文献>

全米広告主協会:
Brand Activation
Marketing Spend on Brand Activation will top $595 Billion in 2016: ANA Report
Brand Activation Disciplines

その他メディア:
What is brand activation & why do you need it?
Brand activation and its role in driving consumer engagement and awareness
Difference Between Activation Marketing & Experiential Marketing