誰しもが、好きなことで食べていけるとは限らない。
狭き門に、遠い道のりに、自分の中で生まれる葛藤を前に、
「好き」を仕事の選択肢から消した人もきっと少なくないはずだ。

たとえ「好き」を仕事にできたとしても、
継続していくためにはお金の問題や身を置く環境、 世の中の流れに対応し続けていく力が必要だ。

「好き」を仕事にしている人は、どのようにして「好き」を仕事にしたのだろう。
どんなふうに仕事をしているのだろう。

この春から社会人の道を歩み始めた筆者が、広告に携わるクリエイタ―やマーケッターに、仕事の内容はもちろんのこと、仕事に対する考え方や発想の源、仕事への取り組み方、成功したことや積み時代のお話を伺い、その中から仕事にときめくための100の方法を見つけていく連載企画。毎回インタビューの最後に、学んだ方法を紹介する。

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 第二回のインタビュー相手は原真人さん(面白法人カヤック)。『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズの電脳空間を再現するデジタルコンテンツ「電脳空間システム」や、『シドニアの騎士』のVR体験コンテンツ「継衛発進体験装置」、Gear VR向けゲームデモ「Little Witch Pie Delivery」など、数々のインタラクティブデジタルコンテンツに携わり、話題を集めてきた。そして2015年7月、VR需要のさらなる高まりに対応するため、カヤック内で発足された「VR部」でリーダーとエンジニアを兼務されている。

 前回の越智一仁さん(株式会社電通)のインタビューでは、思い描いていたものとは違う道のりであったとしても、その場所で消費者や地元の人など、“人”のことを考え抜くことで、仕事にときめく瞬間を見つけていくことができると思うに至った。

 一方、原さんは好きなことを仕事にしている人のひとりだ。好きだからこそ高みを目指し、好きだからこそ自分からどんどん仕事にのめり込んでいくことができるのだという。

 「好きなことを仕事にする」。この考え方には常に賛否両論がつきまとう。好きなことを仕事にできればこの上なく幸せだと思う人もいれば、好きなことこそ仕事にするべきではないと考える人もいる。好きだから頑張れるかもしれないし、好きだからこそ、仕事にするとうまく折り合いがつけられず、嫌いになってしまう可能性だってあるかもしれない。

 今回は、原さんが携わるVR作品の開発の裏側や、原さんが「好き」を仕事にするに至った経緯、「好き」を仕事にすることに対する考えを伺った。

 


 

自分で1シーンをラフに作って、「こういう感じのVR体験どうですか」って提案したんです。そうしたら、それを見た担当者の方がいいねと言ってくださって。

 

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――原さんのVR作品、アニメに関連したものが多い印象があるんですけど、VR部に所属されてから、一番印象に残っている仕事はなんですか?

 『シドニアの騎士』の体験コンテンツ「継衛発進体験装置」ですね。カヤックで手掛けたVRの仕事では一番最初に大きく話題になりました。とある方に『シドニアの騎士』の製作委員会の方を紹介していただいた時、自分で1シーンをラフに作って、「こういう感じのVR体験どうですか」って提案したんです。そうしたら、それを見た担当者の方がいいねと言ってくださって。そのあと Polygon Pictures (『シドニアの騎士』を制作しているデジタルアニメーションスタジオ)の方に見ていただいて、さらに原作者の弐瓶(弐瓶勉)先生に見ていただいて、とんとん拍子で実現に至りました。すごく印象深かったですし、楽しかったですね。

 

――原さん、もともと『シドニアの騎士』がお好きなんですよね。

 そうなんです。弐瓶先生の作品は学生のころから漫画で読んでいたので、そもそもあんなクールな世界がアニメ化するっていうことだけでもニュースでしたし、なおかつそこに繋がりがあって自分で提案できるなんて、こんなチャンスは他にないぞと思って作った案件でしたね。

 


 

好きで始めて、仕事として成立するかも分からないのにやっていたら、多くの方に取り上げていただいたり、社内外で好意的にとらえてもらって、最終的には部署化して、仕事に発展していくことは珍しいと思うんですよね。

 

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――最近になって、私もいくつかのVRタイトルを体験しました。今までの映像体験とはまた違って、映像の世界に入り込んで、主体性を感じられるという面白さがありましたが、開発されている原さんはどういった部分に面白さを感じますか?

 ひとつは、未開拓領域であるということですね。誰がトップを取るか分からないから競争しているので、開発している人のテンションが上がる部分でもあると思います。

 実は、いまだに(VRの)真のキラータイトルというのは出てないと思うんですよね。キラータイトルを作りたいから、みんながVRデバイスを買って開発していると思うんです。ファミコンで「スーパーマリオブラザーズ」が初めて出た時みたいなインパクトはまだないはずなので、開発側の人はみんなそこを探しているんだと思っています。それまでもいろんなゲームタイトルが出て、ものによっては失敗しながら、思考錯誤の末に「スーパーマリオブラザーズ」が生まれたと思うんですけど、(VRにおいては)今、みんな試行錯誤している最中ですね。僕はもともと新規性のあるものを探したり作ったりするのが好きなので、そこが楽しいですね。

 

――誰が一番を取るのか競争していくのってやっぱりどんな分野においてもわくわくしますし、最先端技術の醍醐味ですよね。

原さんがそもそもVRに興味を持ち始めたのはいつからなんですか?

 そんなに昔から興味があったわけではなくて、いわゆるニワカなんです。最初はOculus Riftの「DK1」で衝撃を受けて、そこで初めて強い興味を持ちました。Rift以前も、SONYからHMZというヘッドマウントディスプレイが出ていたんですけど、それはヘッドトラッキングできなかったですし、視野全体を覆うものではなかったので、「DK1」は本当に革命的というか。付けた瞬間、直感的に、これこそが多くの人が求めていたVRだと思いましたね。そこからVRにのめり込んでいったんです。

 Oculus Riftに出会う以前から、「一番新しくて面白い体験を、自分が持っている技術を使ってデジタルで実現するにはどうすればいいか」と、常にアンテナを張って探していました。当初VRはそうやって探している中のひとつの選択肢だったのですが、思った以上にVRへの取り組みがどんどん膨らんでいって、部署化にまで至ったんですよね。

 

――VRだけでどんどん膨らんでいったということは、VR部の発足は、原さんからの提案だったんでしょうか?

 もともとデバイス部という部署にいました。そこではいろんなデバイスを使ってイベント向けのリアル体験ができるデジタルコンテンツを作っていて、その一部としてOculusを導入したんですけど、だんだんとVRの比重が高くなっていって。あと、デバイス部では僕がリーダーを兼務していたんですけど、もっぱら「Oculus Rift」にかかりきりで、他のデバイスを見ていない状態になっていたんですよね。それで、もう(VR)1本に絞ったら、という空気になってきまして(笑)。

 そこから、「じゃあVR部やります」という流れはスムーズでしたね。どちらかというと、自分からの提案というよりは、他のメンバーから勧められた要素の方が強いかもしれないですね。いや、でもやっぱり自分も1本にした方がいいと思っていた時期と同じくらいですね(笑)。

 

――それって、つまり原さんの興味が世の中の流れと合致していたということですよね。

以前、原さんが「VR部は趣味の延長みたいなもの」と仰ってる記事を拝読したことがあったんですけど、VRはもともと趣味だったんですか?

 発端が趣味だったという感じですかね。(VRは)最初個人活動で始めたんです。そのうち仕事になるぞっていう目論見も若干はありましたが、会社や他の人からは、ほぼ趣味ととらえられていたと思います。その時はそれでも構わないと思いながら、いろいろ作ったり、オキュフェス(VR開発者が有志で開催しているVRの体験イベント「Oculus Festival in Japan」。現在は「Japan VR Fest」に改名。)のコミュニティに飛びこんでいったり。

 

――ご自分からどんどん作って、見せて。

 そうですね。自分から入っていって、一日展示のお手伝いして、じゃあ次は自分も出しますって言って、自分でも作って持って行って、というのを仕事の時間以外でやっていたのが始まりでした。今は逆にその繋がりが仕事と切っても切り離せなくなってますね。オキュフェス周りはVRの最先端の情報が流通しているので、そこと常にコミュニケーションを取るということは仕事で重要になっていると思います。

 まぁ何にせよ、僕みたいなケースはあまりない、幸運な例だと思っていて。好きで始めて、仕事として成立するかも分からないのにやっていたら、多くの方に取り上げていただいたり、社内外で好意的にとらえてもらって、最終的には部署化して、仕事に発展していくことは珍しいと思うんですよね。

 

――運もあるかもしれないですけど、どんどん外に出て、自分の好きなものに貪欲に行動できるというのはすごいことだと思います。やっぱりなかなかお休みの日にまでって難しい人も多いと思いますけど、「好き」という気持ちがあるからできることもたくさんありますよね。

 


 

もともと、個人制作活動がある程度認められる文化があったからこそ、ここまで来たというのがあるので、その文化がなければVR部は立ち消えていたかもしれないですね。

 

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――私は3月まで学生だったので、原さんが学生のころどのようなことをされていたのか気になります。

はこだて未来大学という函館にある大学に通っていていました。情報デザインコースというところに所属していて、デザイナーになりたいと思っていたんです。

 

――デザイナー志望から、どのようにしてエンジニアへと転身したのでしょうか?

 大学のころ、言葉の意味が変化していく様子をダイアグラム化するデザイン研究をやっていました。情報システム系の色が強い大学なのですが、僕のいたグループはその中でもかなりデザイン寄りでした。でも、最終的には自分はデザイナーには向いてないと思って、じゃあディレクターならできるかなと思いながらも、ふらふらしていました。

 そうやってふらふらしている時に、「ハッカーになろう」っていう名文に出会って(http://cruel.org/freeware/hacker.html)。「ハッカーは世界中から問題を見つけ出してそれを解決していくんだ」ってすごいかっこいいことが書いてあったんですよ。

 僕が通っていた、はこだて未来大学は、変化や新規性を重んじていて、常に新しいことは何かを問われるような学校でした。それもあって、自分のやっていること、できることで一番クリエイティブなことは何かと常に考えてしまう癖ができていました。そんな中でさっきの名文に出会って、やっぱりこれ(エンジニア)こそが真のクリエイティブだと思って、エンジニア側に入ることを決めました。

 もともとはUIデザイン系に興味があったんですけど、エンジニアに転向してそのあとカヤックに入って、いろいろ刺激を受けたことによって方向性が変化しましたね。

 大学を卒業してすぐは、多摩美術大学の副主を2年くらいやっていました。そのあと小さいWebの会社に入ってディレクターをやって、社内でディベロッパーに転向して、その後カヤックですね。

 

――その名文があったからこそ、今の原さんがあると言っても過言ではないですね。大学を卒業して多摩美、Webの会社を経て、カヤックに入ったきっかけはなんだったんですか?

 カヤックはその当時Flashで有名だったんですが、カヤックの人が主催していた「ごはんとFlash」というイベントに参加して、自分が作ったものを発表したりしながら、カヤック社員と親睦を深めていきました。その時の自分にとって、カヤックはハードルが高かったんですけど、チャレンジしてみたら入れた、という感じです。

 

――他の会社を経てカヤックに入社されてみて、カヤックはどんなふうに見えましたか?

 カヤックって社員同士の仲が変にいいようなところがあると思いますね。毎日が文化祭の前日みたいだと表現されることもあります。まぁ、毎日っていうことはないですけどね(笑)。カヤック社員同士では気にならないことですが、外から見ると不思議に見えることもよくあります。

 逆に中から見ていると、いろんな意味で他の会社に比べて自由度が高いと感じます。月に一度、有志が自分の作りたいものを作って持ち寄って発表したりする「つくっていいとも」という社内イベントがありますし、VR部が部署化したのも、カヤックでなければ社内での位置づけが難しかったかもしれないとも思っていて。もともと、個人制作活動がある程度認められる文化があったからこそ、ここまで来たというのがあるので、その文化がなければVR部は立ち消えていたかもしれないですね。

 

――カヤックの自由度が高く、いろんなことを受け入れる土壌があるからこそ、VR部ができたんですね。

先ほどのお話にもあった『シドニアの騎士』をはじめとして、現在はVR部で様々なVR作品を作っていらっしゃいますが、原さんがカヤックに入社してからVRに携わるまではどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

 もともとFlashエンジニアとして入社したんですけど、そのあとiPhoneエンジニアが流行ったので、そちらに手を出してみたり。rhizomatiks(株式会社ライゾマティクス)さんが台頭してきて、openFrameworksでインタラクティブなコンテンツを作ることが流行したときはそちらを勉強したり。とにかくその時主流のインタラクティブなものは勉強して試して、を繰り返してました。

 そのあと一番の転機だったのは『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズの電脳空間を再現する「電脳空間システム」という案件で、お客さんが店舗に来て体験するデジタルコンテンツでした。この仕事は自ら進んでというより、意図せず偶然参加できたものだったんですけど、初めてアニメに関わったものだったんです。この時初めて、神山健治監督やアニメのプロモーションに関わっている方にフィードバックをもらうことができて、それまで経験したことないほど海外でも拡散して評判になったものでした。

 この案件に参加してから、カヤックといえば漫画なんだから、デジタルテクノロジーを使って漫画やアニメの世界を実現するのがいいんじゃないかと考えるようになっていって。それからはそういったIP(Intellectual Property:著作権・特許等、知的財産権の総称)関係の仕事を進んでするようになっていきました。

 Oculus Riftの「DK1」が出てからは、すぐに飛びついてのめり込んでいったんですけど、そうやってすぐに反応できたのは、アニメや漫画の世界を実現することを望んでいて、そういった世界を体験してもらうにはVRが相性いいと思っていたというところが大きいですね。

 


 

クライアントさんから相談が来た時点で、僕が『アイカツ!』好きということは社内で周知の事実だったので、すぐに呼ばれました(笑)。

 

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――最初は会社外の時間でVRのコミュニティを広げたり、いろいろ作ってみたり、ということでしたが、VRが仕事になった今、原さんはプライベートの時間をどのようなことに使っていますか?

 休日はまちまちですね。奥さんと買い物に行くときもあれば、昔よく遊んでいたアニソン系のクラブにたまに行ったりもしますね。

 

――MOGRAですか?(MOGRA 秋葉原:アニメソングを中心にプレイするDJが活躍する、秋葉原の地下にあるDJバー)

 そうです、MOGRA。

 

――私もたまに行ってました!

 え、マジですか!意外ですね(笑)。中野にもそういうところがあって、そこに行って発散したり(笑)。

 あと、イベントがあると行きますね。コミケは最近行かないですけど、ゲームショウとか、この間はゲームマーケットっていうボードゲームの即売会に行ったりとか。情報収集も兼ねて、ああいう大型のメジャーなイベントは行くようにしてますね。

 イベントで直接営業することはないですけど、ゲームショウやニコニコ超会議は知り合いの人が出展していることもあるので、挨拶回りも兼ねて行って。アポ取るのが難しい人でも、そこに行けばいるので、情報交換したりとか(笑)。カヤックの特徴でもあるかもしれないですけど、プライベートと仕事の境目が希薄かもしれないです。イベントに行くのも半分遊び、半部仕事になっているところがあるので。

 

――半分遊び、半分仕事という話もそうですけど、ご自身の興味があって取り組んでいたVRが、今お仕事に繫がっていて、好きなことを仕事にしていくことについてはどう考えていますか?好きなことがそのまま仕事になるというのを幸せだと思う人もいれば、もともと好きだったことを仕事としてしかとらえられなくなってしまうと葛藤する人もいると思うのですが。

 「二番目くらいに好きなことを仕事にした方がいい」と言われたりしますよね。僕はカヤックで社歴が長いからかもしれないですけど、ある程度自分で仕事の先導をできるようになっているので、「これはやったほうがいい」と「これやりたい」がイコールになっている場合が多いんですよ。「世間的にはこれが絶対いいし、自分もこれやりたいし」というような感じで。そこにずれがないので、自分が一番好きなことを仕事にすることについて、今は躊躇してないですし、ある程度バランスを見ているというか。

 「アイカツ!みんなでおうえんアプリ」というアプリの開発に参加させていただいたのですが、これも僕が『アイカツ!』が好きだからこそ実現したんです。クライアントさんから相談が来た時点で、僕が『アイカツ!』好きということは社内で周知の事実だったので、すぐに呼ばれました(笑)。

 こういう感じでファンが実際に作る側に回るケースって意外とあると思うんですよね。それがうまくいくかはその人次第で、僕はわりとバランスが取れている・・と思います。もしかしたらバランス取りきれてない部分もあるのかもしれませんが、意識としては常に超えてはいけない一線に気をつけながら、大好きなコンテンツに関わるお仕事をさせていただいています。

 

――好きなものと仕事のバランスが取れているんですね。好きだからこそ、そのブランドのためになることもとことん考えられるというのもありますよね。

 


 

 「好き」を仕事にするっていうのもそうかもしれないですけど、仕事には、仕事を抜きにした自分自身を巻き込んでいった方がより楽しめると思うんです。

 

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――この連載のタイトルが「仕事にトキメク100のこと。」というんです。今までのお話とも被るところもあるかもしれませんが、原さんがお仕事でときめいた瞬間を教えてください。

 それはいろいろありますね。『シドニアの騎士』のような版権もののコンテンツに関わって、原作者の方に合えた時はテンションあがりました(笑)。タレントに合う時のような気持ちです。

 あと、『アイカツ!』は本当に好きなので、仕事のために素材をもらうだけでときめいていました(笑)。

 

――いいですね(笑)!

 「好き」を仕事にするっていうのもそうかもしれないですけど、仕事には、仕事を抜きにした自分自身を巻き込んでいった方がより楽しめると思うんです。好きなジャンルの仕事なら当然そうだと思いますが、どんな仕事でも毎回なるべく自分にとっての勝負やチャレンジを入れるようにしています。まぁ、いい仕事をしようと思ったらたいていの場合、入れざるを得なくなっちゃうんですけどね。

 リリースの時は緊張して吐きそうになったりもしますけど、そういう要素を入れた上で仕事に臨んでうまく着地した時は、達成感や安堵感をかなり感じますね。

 緊張から解放された時、脳にはβ-エンドルフィンという物質が出ているらしいです。β-エンドルフィンは強烈な麻薬のような効果があるんですけど、もしかしたら、今その中毒になっているかもしれません(笑)。なので、ひとつ大仕事を終えたら次の大仕事をやりたくなってしまうサイクルになっている気がします(笑)。

 


 

「好き」を仕事として成立させるのは、簡単なことではないはず。仕事である以上、売上のために戦略的に考えなければならないことはたくさんある。「好き」を仕事にできたとして、その過程で好きなことが嫌になったり、好きなことと仕事の間に挟まれて葛藤することもあるかもしれない。それでも、仕事を生き生きと語る原さんを目の前に、「好き」という感情が仕事にもたらすやりがいや幸せを感じずにはいられなかった。

仕事や身を置く環境の選択は、自身の手にゆだねられている。「好き」を仕事にするかどうかはその人次第。

だけどもし、仕事の中に「好き」のエッセンスを見出すことができたとしたら、辛いとき、うまくいかないとき、仕事を支える力となるだろう。理屈では説明できない感情の部分にこそ、仕事を楽しむ秘訣があるのではないだろうか。

 

今回の仕事にトキメク100こと。

  • 6.やりたいことは口に出し、作って提案してみる
  • 7.自分のいる環境を最大限に生かすこと
  • 8.「好き」への感度を高く持つ
  • 9.ブランドのことを思い抜く
  • 10.仕事に自分を巻き込んでみる

(回を追うごとに追加されていきます。)

 

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profile2原真人(面白法人カヤック VR部 エンジニア)
面白法人カヤックVR部のリーダー兼エンジニア。主にUnityを用いたコンテンツ開発に携わっている。 2014年にシドニアの騎士のVR体験コンテンツ「継衛発進体験装置」( http://www.kayac.com/service/client/1186 )を手がけ2015年にはGear VR向けゲームデモ「Little Witch Pie Delivery」( http://littlewitchpiedelivery.com/ )を開発。Oculus Storeにリリースした。 同年7月、VR需要のさらなる高まりに対応するため、カヤック内で「VR部」( http://vr.kayac.com/ )を発足。現在は受託開発を中心にVRコンテンツ開発に取り組んでいる。