【プロフィール】武田双雲武田双雲
3歳より書道家である母、武田双葉(そうよう)に師事。東京理科大学理工学部を卒業後、NTT勤務を経て、2001年1月より書道家として創作活動を始める。大河ドラマや広告などの題字、ロゴを数多く手がけ、斬新な個展を開催。各界のアーティストとのコラボレーションなど、独自の創作活動で注目を集める。上海美術館より「龍華翠褒賞」、イタリアフィレンツェで「コスタンツァ・メディチ家芸術褒賞」を受賞。


※この記事はamanaimages.comで過去に掲載されたものです

武田双雲さんにお話を伺いました

全国各地での個展、テレビ出演や講演会、またご自身で6月9日を「世界感謝の日」と宣言した取り組みなど、多岐にわたる分野で活躍されている書道家、武田双雲さんにお話を伺いました。

──ストックビジネスに興味をもって頂いたきっかけは何だったのですか?

時代だなって。ストックフォトは今でしかありえないサービスだなと感じました。
まず、カメラっていうのもすごい技術だし、世界中のプロの高い感性をもったカメラマンの作品が見れるだけじゃなくって使える。しかも瞬時に大量の中から検索できて選べる。ストックビジネスは、まさに最先端の技術を全部使っているサービスだなって。
新しいことっていうのは、全部の積み重ねの上に乗っかっているんです。温故知新じゃないけど、新しさは古さの上に成り立っている。その積み重なってきた最先端の上にアナログの「書」が乗っかって、今それを体験できていることは、すごいことだと思ったんです。

武田双雲
──実際に使用された事例をご覧になってどう感じられますか?

見た瞬間の喜びって言葉にならないくらいです。書き下ろしの場合と違って、どういう業界や媒体でどの文字が使われるか分からないのでワクワクします。意外性というか、あっなるほどそうきたかと。通常の仕事だと、直接クライアントがいて、依頼・制作の過程があるのでその中でイメージしていますが、それがストックの場合は、突如やってくる。
あと、具体的なものになるってやっぱりすごいんです。書って普通は掛け軸とか飾るものとしてのイメージしかないものが、こういう形で活かしてもらえるんだと。冊子になる、ポスターになるとか、ぐーーっと心が燃えます。具体的だからこれを作っている人や見ている人の笑顔や心の動きのイメージが沸くのでぞわぞわっとします。

武田双雲

──ビジネスコンサルティングの会社で、企業理念の言葉や新入社員向けのコンセプトブックに、キービジュアルとして多数使用していただきましたね。

僕の書に本当に感動したらしくて、感動したってわざわざ伝えに来てくださったんですよ!ある時、アマナイメージズで書を見て、これだっ!って思ったと。それまで自分たちのビジョンが伝わらないっていうフラストレーションがあったけど、この書を使ってやっと伝えられると。志が高くて、誇りを持って働かれていて、お客様を幸せにしたいって本気で思っている意識が高い会社で、言葉の価値に気付いてくださっています。冊子なのに会社名も無くて完全に僕の書だけになっちゃっているんですけど(笑)。あれだけ喜んでもらって、本当に嬉しかったです。

──書の力や、創作活動で大切にされていることは何ですか?

文字には、言葉にならない訴求力があります。書道家の人は「書」を書いてしまうんですが、僕はビジョンを書きます。筆で書いているんだけどそれは手段であって、上手とか下手とか技術を見せているのではなくて、その人達のビジョンや伝えたいこと、こうありたいうことを最強にお手伝いすることを目的にしているアーティストです。
きれいな字やかっこいい字を書いているのではなく、ビジョンを具現化することに常に意識を向けて、何を伝えたいかを明確に書に込めています。これはエネルギーなんです。見るだけでエネルギーが沸く、力強さ、躍動感を感じる、それが武田双雲の特徴だと思います。細くても太くてもエネルギーが沸きあがってくる。筆文字っぽいとかじゃなくて。

──そのビジョンをどんな風に感じているのですか?

その人の持っているエネルギーが湧き出る感じをイメージするんです。僕ほど人間の力を信じている人はいないと思います。僕はその人の持つ誰よりもすごい力のメッセージを強く感じるんです。超人間肯定型なので、どんな人間でも可能性を秘めていると思っているので、僕の書があることでその人の実力、ポテンシャルが引き出されるっていう自信がある。僕がすごいんじゃなくって、その人をすごいと思える自分がいるっていう。人間のすごさを信じています。

──ご自身の多岐にわたる活動の中で感じていらっしゃることは何ですか?

書の力、言葉の力で人類のまだまだ秘められた可能性を引き出すということが全部のテーマ。言葉の力のすごさに自分が一番気が付いていると信じています。身近な人達だけじゃなく人類がもっといい生命体になれるっていうのが見えている。人類自体がまだ中学生くらいかな、反抗期が終わった中3か高1でごちゃごちゃしているような感じです(笑)。いい大人になる為に書でお手伝いが出来るなって思う。

武田双雲
──アマナイメージズと取り組んでみたいことや、期待することはなんですか?

書をストックしてネットで公開できるのだから、3D美術館みたいなことがしたいですね。ギーって美術館のドアを開けて、コツンコツンと歩いて、ライティングがされていて、そこに書があって・・・本当にそこに居るような気がする世界を味わえる武田双雲美術館を作れたら面白いですね。アナログでしか伝わらないと思っていたことが、デジタルでも伝わることがある。デジタルだったら一人の世界に入り込めるし、自分が見たい時に見られる。僕の声が流れてきたり、例えば虫めがね機能がついていて、書のはらいの擦れまで見れるとか。デジタルならではのリンクができて色んな世界に一瞬にして飛べるような。ただやるだけじゃなくて、アマナイメージズだったら出来るようなことがしたいですね。
あと、名刺って自分をPRする道具じゃないですか。名刺の裏なり表なり、自分を表わす言葉を入れるサービスとか。例えば、美とか優とか、愛とか恵とか、自分を一文字で表すような言葉です。オーダーメイドではできないので、ストックだから出来るようなことがしたいですね。

武田双雲
──最後にアマナイメージズとの取り組みについてのご感想をお願いします

アマナイメージズってただ写真を集めて提供しているだけではない、エンターテイメントというかサービス精神が強い会社だと感じます。色んな人の訴求力や伝えたいことをお手伝いしたいという会社。
僕たちの取り組みのスタートは、「書」と「場」のひらめきと直感があった。これはもしかしたらお客様に役に立つかもしれないっていう。僕たちがサンタだとしたら、新しい幸せやプレゼントをまだまだ作れそうな気がします。インターネットの最先端とアナログな書道家って全く逆なんだけど、目指しているところは人の笑顔だったり喜びで、手段が違うだけで目的は一緒です。見たこともない包装紙で見たこともないプレゼントを枕元に置きたいですね。

(2013年2月13日 インタビュー)

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