プロフィール:上田 三根子上田三根子
埼玉県生まれ。魚座A型。セツ・モードセミナー在学中からイラストレーションの仕事を始める。明るい色使いと、オシャレなセンスは人気が高く、広告、雑誌、装丁、キャラクターなど、幅広い分野で活躍中。イラストレーション教室の講師、雑誌のコメンテーターなど、多方面での活動も多い。


※この記事はamanaimages.comで過去に掲載されたものです

CMなどでお馴染みのイラストレーター上田三根子さんです。デビュー時の秘話から愛犬ロビンまで、ここだけの話を聞いてきましたので、ぜひ最後までお読みください。

──ストックに参加いただいて一年近く経ちますが、感想をお聞かせください。

ストックの登録は初めてです。
アマナイメージズはテレビ番組などで名前は知っていましたが、写真の会社という印象がありました。正直、どんな風に使用されているのかは、最近まで知りませんでしたが、今は時々自分でサイトを見て、マーケティングという程ではありませんが、お客様がどういう絵を良いと思ってくれているのか、どう使っているのか、知るのが面白いですね。

──人気のある作品はだんだんわかってきますね。

直接お問い合わせ頂き、クライアントに予算が無いという場合は、アマナイメージズに絵を預けてあります・・・と紹介することもあるんですよ(笑)

──ありがとうございます。それは凄く嬉しいです!キャリアのある方の中には、ストックライブラリーをネガティブに捉える方もいらっしゃるのですが・・・。

そんな事はありません。大丈夫です。

上田三根子

──創作活動で普段大切にしていること、秘訣を教えてください。

私の絵はシンプルで真似がしやすく似せて描こうと思えば誰でも描けてしまうので、自分のオリジナリティは大切にしたいと思っています。絵は顔だけでなく、一枚の絵の中の世界。そこに登場する人たちの服、家など取り巻く環境は私が良いと思うものを描いています。それは誰も真似が出来ない部分。大事にしているところです。

──作品には犬がよく出てきますが、愛犬のロビン君がモデルですか?

ロビンだったり、ちがう種類のコだったり・・・犬の座った形、脚のつき具合、ポーズなどいつも見ているから描ける、というのはあると思います。不精なので資料を見たりすることは好きではないのですが・・・普段の生活でも人の佇まいや、仕草でも、面白いと思ったことは残っています。

 

──作品制作のプロセスについて具体的に教えていただけますか?

最初はペンとマーカーを使っていましたが、愛用していたものがだんだんと販売されなくなってしまいました。クライアントからも10年くらい前からデータ納品でと言われるようになり、スキャンしても綺麗ではなかったので、今は PhotoShopを使って制作しています。マーカーで書いたような ニュアンスを残せればと、必要に迫られて覚えていった感じです。

──Illustratorだと硬くなり過ぎでしまうということでしょうか?

そうですね、私の場合はかっちりしすぎると自分の味が無くなってしまうんです。 PhotoShopの方が使い易いですね。下書きは鉛筆で描いてマーカーで描いて、線をシンプルに整えて色を付けています。

上田三根子
──イラストレーターを目指したきっかけを教えてください。

“イラストレーション”という言葉を知ったのは高校生の頃です。子供のころから絵を描くこと、そして洋服が大好きだったのですが”イラストレーター”という職業があるとは知りませんでした。将来は漫画家か画家かに、と漠然と思っていたのですが、ちょっと違うなとも感じていたんです。そんな頃、大橋歩さんのファッションイラストレーションを知ったんです。同じ時期に平凡パンチの女性版で紹介されていた絵の学校に通うことにもなりまして・・・高校は女子高の進学校に通っていたのですが、その頃はビートルズに夢中で(ビートルズの武道館コンサートには2回行きました!)勉強は全くしていなかったので、いまさら受験勉強も考えらず、悩んでいた時にセツモードを知ったんです。受験も無いので良いかな、と・・・(笑)

──初仕事は?

学校で紹介してもらった週刊誌のモノクロのページです。初任給が3万円の時代に1万5千円のギャラを頂きました。好きなことをやってお金を頂けるのは嬉しかったのですが、当時は自分がイラストレーターとは言えませんでしたね、名刺も持っていなかったし、自分に自信が無かったのでしょう・・・でも依頼された仕事は断らなかったので物凄く忙しかったです。

──80年代はありとあらゆる本・雑誌で拝見しました。

女の子向けの雑誌は軒並みやっていましたね。数が多かったのでずいぶんと鍛えられました。年中、徹夜で栄養ドリンクを飲んで仕事をしていました。当時のスケジュールを見ると土日も締め切りがあって夏休みもなく、よくこんなに仕事をしていたなと思います(笑)
忙しいのを理由に仕事を断ることが出来ないんです。フリーなので断ると二度と仕事がこないんじゃないかと・・・貧乏性なんですね。

──上田さんのような普遍的な作品が愛されるんですね。

絵を見て頂いた方が、少しでも楽しんで貰えれば嬉しいです。私の絵はあまり古くならないんです。最先端のファッションを描いているわけではないのですが、エバーグリーンで皆が好きな、自分も好きなファッションを描いている。キレイキレイは今度リニューアルされるのですが、今のものは15年ずっと変わらないんです、今見ても全然古くないなと思う。こればかりは自分でも凄いなと思います。

 

──アマナイメージズと今後取り組みたいテーマなどありますか?

参加している作家さんとの横の繋がりが出来る機会があれば良いですね。個人的に知っている人、名前だけを知っている人はいるのですが・・・。

アマナイメージズで上田三根子さんの特集を見る

(2012年9月18日 インタビュー)