マーケティング担当者が長年にわたって活用している「色」の心理学。今やGoogleで簡単に調べられる色の活用方法は、誤解されているものが多いかもしれません。

もちろん一般的な「色」の活用方法を用いて自身のブランドの「色」を決める事は大事なことですが、もう少し深く掘り下げて、信頼性の高い根拠をいくつか調べてみるとより効果的になります。マーケティングデータに裏付けされた重要なポイントをいくつか見て、どのように活用したらセールスポイントになるか考えてみましょう。

1. 色相以上に大切な要素を把握する

ネット上などで「赤色=興奮」「青色=平穏と責任」のような情報を見たことがあるかと思います。暖かい色合い(赤、オレンジ、黄色)が刺激を与える一方で、クールな色(緑色、青色、紫色)はリラックス効果を与えるということは事実です。色相の意味にはいくつか信憑性がありますが、それらをあまりに重視しすぎると失敗してしまいます。

色相に関する研究の多くは、彩度(色がどれほど鮮やかであるか)と、明るさ(明暗がどれくらいか)を考慮していませんでした。しかし1994年の研究で、この2点が色相よりも感情的な影響を劇的に引き起こすということが判明しています。

ポイント:

色の選択において、色相と関連付けることは正しい選択の一つですが、唯一の決定要素にはせず、この記事で紹介する他のポイントも参考にしてみてください。

2. 彩度で見せ方を考慮する

彩度は、色の鮮やかさを示します。彩度の低い色は色褪せているように見え、彩度の高い色は鮮やかで豊かに見えます。低彩度は気分をリラックスさせ、高彩度は刺激を与えてくれます。このことからわかるように、色相の彩度を変更すると、見る者にまったく異なる印象を与えることができます。旅行会社を例にしてみましょう。日々の生活から逃れ、夢のようでリラックスできる旅行を想起させたい場合は、彩度の低いイメージを使用し、反対に冒険に出るような気持ちにさせたい場合は、彩度の高いイメージを使用すると効果的です。

アメリカの絶景で有名なBig Sur。こちらの2点の写真は、彩度によって呼び起こされる感情が違ってきます。彩度の高い上の写真はより刺激的で、彩度の低い下の写真はより落ち着きを与えます。
ポイント:

顧客にどのような感情効果を与えたいのかを決め、それに応じて彩度を調整します。ほとんどの編集ソフトでカラーホイールがあり、中央に低い彩度が、ホイールの外側に向かってより彩度の高いカラーが表示されます。ウェブデザイン、パッケージ、広告イメージなどのセールスポイントで彩度を活用してみてください。たとえば、ソフトウェア企業が、日々の課題を簡単にする最先端のアプリケーションを作った場合には、彩度の高い画像を選んだほうが効果的です。もしそのアプリが財務上の安全性や家族のつながりを想起させたい場合は、低い彩度のイメージを選択したほうが効果的でしょう。

3. 明るさ(輝度)で感情の違いを出す

明るさの値は、色合いの明暗を表しています。輝度の低く暗い色合いはより刺激的に感じ、輝度が高く淡い色合いは、よりリラックスさせることができるでしょう。

ポイント:

彩度を決める時と同じく、先に顧客を刺激したいのか、リラックスさせたいのかを決めることが大切です。陰影をつけることで神秘的かつ力強さを感じさせると言われています。過去に行われた実験では、女性は明るい色合いを好み、男性は陰影を好むことが分かっています。顧客が男性か女性かで偏っている場合は、このことを念頭に置いておきましょう。編集ソフトではグレースケールのスライダーバーを使用して、明るさ(輝度)の値を調整することができます。

ターゲットとなる顧客に基づいて輝度レベルを調整しましょう。一般的には女性はより明るい画像を好む傾向があり、男性は陰影の強い画像を好む傾向があります。

4. 性格や育った環境で色の好みが変わることを認識しておく

色彩の嗜好には、人の進化における適応(例えば、女性は、ピンクと赤の食べ物を探し集める役割として、ピンクや赤色のものに対しての、嗜好を発達させてきた)から文化的な影響(男の子は、彼らは与えられるおもちゃが青色で、それで遊ぶことが楽しいという経験から青色を好む)にまで及びます。一般的な行動指針として、女性は低い輝度と赤、黄、青、紫、そしてピンクといった色相を好み、男性は高い輝度と彩度をもつ青や緑を好む傾向があります。

ここで重要なのが、時間の経過とともに色の好みが変化するという点です。1970年代に流行したダークオレンジやアボカドグリーンを現代の人々は嫌う傾向があります。また、異なった文化では異なる「色」が関連性を持っていることもあります。今のカラースキームが北アメリカで効果的だとしても、アジア市場を広げる場合には、カラースキームの文化的な関連性や好みをよく確認してください。たとえば、中国では赤は幸運な色と考えられる一方で、青は不吉な意味を持つと考えられています。2012年の調査では、ニューヨークと東京のInstagramにあがっている50万枚の写真を分析したところ、色合いの占める割合が異なることが分かりました。ニューヨークの写真は、大部分が青灰色で、東京は赤黄色が占めています。

ポイント:

ターゲットとする顧客の性別や文化を考慮し、色の選択が、ターゲットの嗜好に合っているかしっかりと調査を行いましょう。

繰り返しになりますが、顧客がどのような色を好むかという点のみを考えるだけではいけません。他のポイントもうまく取り入れましょう。

5. 製品に適した色を選ぶ

色の心理学に関する記事で、Nick Kolendaはスポーツカーを例にして、色の適性の概念を説明しています。ほとんどの消費者は、赤はスポーツカーに適したよい色だと考えます。それが、茶色だったとすれば、実物を見てない状態でもその色の意味を聞いてしまったり、どういった意図でその色を選んだのかを想像してしまいます。

実際に、茶色のスポーツカーで良い写真を見つけることができませんでした。これは色の適正についての証明にもなるでしょう。
ポイント:

製品に合った色の選択ができているのかを確認しましょう。赤色は商品棚やウェブサイトでは目を引きますが、医療施設等の場合は、血液や病気を連想させてしまうこともあります。要するに、特定の感情を喚起しようとして、その感情に合致する色だけでデザインを決めてしまってはいけません。感情やそれに関連する色が、製品やサービスを通した顧客の期待に沿っているかどうかを忘れないようにしましょう。

6. コントラストを意識する

数年前、Hubspotはあるカラーテストの結果を公開し、大きな反響を呼びました。彼らは複数のアクションボタンの色を変更したランディングページを複数作成し検証しています。1つのページには緑色のアクションボタンを、もう一方には赤いアクションボタンがあるページを作成しました。驚くことに、赤いボタンのページは緑のボタンのページに比べて、21%良い結果を得ています。しかしながら、アクションボタンを全て赤色にすることが正解とは限りません。特定のランディングページのカラースキームにおいて、赤色のボタンが、緑よりもコントラストを与えていた点が効果的だったと考えられます。

ポイント:

行動を促すもの(購入ボタンのような)をデザインするときは、見込み客に次のステップに踏みだしてもらいやすいようハイコントラストを使用してみましょう。

7. シェアされやすい「色」を意識する

まだ限られた研究ではありますが、暖かい色はシェアされる可能性があがるそうです。色相でみた2015年の研究では、赤、紫、ピンクの画像が、緑、青、黄の画像よりも広くシェアされたことが分かっています。ただし、色彩心理学やオンラインの世界では、物事や嗜好が変わることが多々あるため、この結果を鵜呑みにしないようにしましょう。

ポイント:

シェアのされやすさを求めている場合は、複数のバージョンのコンテンツを作成し、どの色が最も優れているか検証してみるとよいでしょう。

現在の研究では、暖かい色の画像がよりシェアされることが分かっています。
まとめ

いかがでしたでしょうか?

プロモーションに最適な色を導き出すアプリケーションはまだ存在しませんが、「色」を決めることはあなたのマーケティング施策の重要なパートとして考えられます。良い結果を得るために努力することは重要ですが、マーケティング戦略の中で、正解はありません。人間の色の嗜好は、遺伝子と育った環境での経験に裏付けられているように、簡単な理論に固執することができないほど、とても複雑です。ここで紹介した理論を慎重に組み合わせ適用していくことで、あなたのブランドは、競争相手より優位に立つことができるでしょう。

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※この記事は写真撮影に役立つ情報を発信するWebメディア「500pxISO」を翻訳した記事となります。
元記事: 7 Things Marketers Should Know About Color
訳・構成:アマナイメージズ PORTFOLIO編集部